少しだけ背伸びして、工夫すれば、
答えを出せそうだと思える 30+14= に、
この子から、
「分からない」と聞かれます。
筆算のたし算 を、
この子はまだ習っていません。
ですから、
30+14= を、
暗算のたし算として計算します。
暗算のたし算の基礎は、
数えることです。
数える回数を正しく数えれば、
答えを出すことができます。
1回数えれば、
+1 です。
5回数えれば、
+5 です。
30+14= は、
+14 ですから、
14回数えます。
このように単純なゲームが、
暗算のたし算の基礎です。
さて、
この子は、
暗算のたし算の指が取れています。
5+8= を見たら、
見た瞬間、
答え 13 が頭に出てしまいます。
コンピュータの処理スピードのように、
とても速いスピードで、
8回数えて、
答え 13 を出しているのではないのです。
ある種の感覚として、
5+8= を見た瞬間、
答え 13 が頭に浮かびます。
このような力を持っている子ですから、
30+14= の答えを出すために、
使える力が、2つあります。
数えることと、
暗算のたし算の感覚を利用することです。
指が取れている暗算は、
5+8= のような数ですから、
30+14= のような
2けたのたし算に使えません。
30+14= を見ても、
問題 30+14= が見えるだけです。
答え 44 が、
瞬時に頭に浮かぶようなことはありません。
となると、
30+14= の答えを出すために、
この子に使える力は、
数えることです。
試しに数えてみます。
30+14= の 30 の次の 31 から、
+14 の 14 回数えます。
「さんじゅういち、さんじゅうに、さんじゅうさん、
さんじゅうし、さんじゅうご、さんじゅうろく、
さんじゅうしち、さんじゅうはち、さんじゅうく、
よんじゅう、よんじゅういち、よんじゅうに、
よんじゅうさん、よんじゅうし」です。
このように、
31 から、14回数えると、
44 になります。
確かに答えを出せます。
30+14=44 です。
そうなのですが、
このまま、
子どもに、
14回数えて答えを出すリードをすれば、
工夫しない見本になってしまいます。
ですから、
少し工夫します。
この子も、
10 飛びで数えることができます。
「じゅう、にじゅう、さんじゅう、・・」と数えるのが、
10 飛びです。
この 10飛びを利用して、
14回の数え方を工夫します。
少しの背伸びになりますが、
14回数えることは、
10 飛びを 1回と、
更に、4回数えればよいことになります。
この工夫で、
30+14= は、
30 の 10 飛び 1回の 40 に、
更に 4回、
41、42、43、44 と数えます。
実際には、
次のような実例のリードになります。
30+14= の 30 を示して、
「さんじゅう」と声に出して読み、
14 の 1 を示して、
「よんじゅう」と、
10 跳びを 1回声に出して数えて、
14 の 4 を示して、
「よんじゅういち、よんじゅうに、よんじゅうさん、
よんじゅうし」と、更に 4回声に出して数えて、
= の右を示して、
「よんじゅうし(44)」と言います。
このようなこちらの計算を見ていたこの子は、
30+14=44 と書きます。
そして書いたとき、
「面白い数え方をしている・・」と、
考え始めます。
(基本 -686)、(+- -373)