(2- )÷= は、
分数の混ざった四則混合です。
この計算問題は、
かっこの中のひき算( - )と、
かっこの外のわり算( ÷ )の
2種類の計算が混ざっています。
これを計算する子は、
こちらから、
「計算順?」と促されて、
自分の人差し指で、
- と、
÷ を、
この順に、無言で示します。
こちらが、
この子に教えた計算順指さしゲームです。
正しい計算順です。
ですからこの子に、
「計算して・・」と誘います。
この子は無言でうなずいて、
始めようとします。
ですが、
止まってしまいます。
計算できないようです。
1番目の計算で止まっています。
1番目の計算のひき算 2- に、
まったく手が出ないようです。
見ているこちらにも、
この子の強いネガティブな気持ち、
「嫌だなぁ」が伝わってきます。
確かに子どもには、
計算の仕方を思い出すことが難しい計算です。
分数と分数のひき算でしたら、
まだ覚えているでしょうが、
整数 2 から、
分数 を引くひき算は、
多くの子の思い出せない計算です。
この子も、
2- の答えの出し方を、
まったく思い出せないようです。
そして、
「嫌だなぁ」と、
とても強いネガティブな気持ちに支配されて、
答えの出し方を、
質問することもできない状態です。
さて、
2- の答えの出し方を、
この子が、まったく思い出せないことは、
事実です。
思い出せないことは、
思い出せないのです。
ですが、
計算していたようなことを、
「確か、少し前に、このような計算を・・」と、
覚えてもいます。
このような場合、
思い出すのではなくて、
今ここで、答えの出し方を
工夫しようとしてもいいのです。
2- の答えの出し方を思い出せないから、
「嫌だなぁ」に支配されることも、
「工夫してみようか・・」と思うことも、
どちらもこの子のできることです。
実際に工夫できるかどうかではなくて、
工夫しようとすることです。
この子が、
自分のことを
どのくらい強く信じているのかの違いが、
「嫌だなぁ」と、
「工夫してみようか・・」に分けています。
この子は、
答えを出すことを諦めて、
「嫌だなぁ」の気持ちに支配されています。
自分を信じる気持ちが弱いからです。
さて、こちらは、
この子が、
自分のことをもっと強く信じることができるような
そのような手伝いをします。
「工夫してみようか・・」そのものの手伝いです。
以下は、手伝い方の実例です。
2-= を示して、
「引ける?」と聞きます。
「引けない」と答えてくれます。
次に、
2- の 2 を示して、
「引けるようにする」、
「どうする?」です。
無言です。
待ちません。
「いち(1)、借りる」と教えてから、
「 1 を、どうする?」です。
やはり、無言です。
やはり、待ちません。
「工夫してみようか・・」の手伝いです。
「下、ろく(6)」、
「上は?」です。
この子は、ここで、
「分かった」、
「6!」です。
この後も同じようなリードで手伝い、
2-=
1-= まで進むと、
「もう、分かった」、
「できる」ですから、
続く計算をこの子に任せます。
答えの出し方を思い出せない 2- の
「工夫してみようか・・」を手伝っています。
答えの出し方を、
教えているのとは違います。
これで、
今は弱い自分を信じる気持ちが、
少し強くなることを期待します。
(基本 -691)、(分数 -293)