2けたの筆算のたし算を、モタモタ・ダラダラと計算しています。自覚の力で自分を見ることや、良心の声を聞くことが、できるのに未熟だからです。育てます。

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 85 \\ +\: 15 \\ \hline \end{array} }} \\ や、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 68 \\ +\: 93 \\ \hline \end{array} }} \\ のようなたし算 50問を、

モタモタ・ダラダラと計算しています。

 

この子は、

このような筆算のたし算を

計算する力があります。

 

計算練習をする必要性も、

何となくですが、

感じています。

 

計算は嫌いではなくて、

むしろ好きなようですから、

計算したいと思ってもいます。

 

それなのに、

モタモタ・ダラダラと計算しています。

 

 

どうやらまだ、

自覚の力が弱いために、

自分の計算している姿を、

自分が見ていないようです。

 

この子には、

もちろんのことですが、

自分がどのようにすべきかとの

良心もあります。

 

良心の声は、

テキパキ・サッサと計算できるのだから、

夢中になって、答えを出して、

自分を伸ばしなさい・・・と、

ささやいているはずです。

 

とても弱い声ですから、

この子には、

聞こえていないようです。

 

 

ですから、

「どうしたの?」、

「楽に計算できるでしょ・・・」、

「サッサと計算してしまいなさい!」のように、

この子に促したくなります。

 

でもこうすればするほど、

意外なことですが、

この子が自分自身を見る力を弱めてしまいます。

 

自分が自分を見なくても、

周りの誰かが、

自分を見てくれて、

どうすべきかをリードしてくれるからです。

 

つまり、

本来であれば、この子自身でできる

自覚の力で自分を見ることや、

ささやいている良心の声を聞くことを、

周りの誰かに依存するようになり、

これらの力が育たなくなります。

 

自覚の力で自分を見ることや、

良心の声を聞くことを、

生まれながらに人は持っていますが、

潜在的な力ですから、

この子自身が、

自分で育てるしかないのです。

 

そうは言うものの

自覚の力で自分を見ることや、

良心の声を聞くことを、

どのように自分で育てるのかを教えることは、

とても難しいことです。

 

 

だから、

この子のモタモタ・ダラダラとした計算の仕方に、

一切触れないで、

モタモタ・ダラダラと計算している最中に、

テキパキ・サッサとした計算を、

まったくの突然のように、

3~4問体験させてしまいます。

 

以下のような実例は、

このようなリードになっています。

 

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 85 \\ +\: 15 \\ \hline \end{array} }} \\ の 2つの 5 を、

上から下に、1つずつ示しながら、

「5+5=10」、

5 の真下を示して、

「0」、

「指、1」です。

 

こちらの動作を素早く、

早口で区切りながら言います。

テキパキ・サッサのモデルです。

 

この子は、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 85 \\ +\: 15 \\ \hline \:\:\:\:0\end{array} }} \\ と書いて、

指を 1本伸ばして、

次のリードを待ち構えます。

 

リードを続けて、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 85 \\ +\: 15 \\ \hline \:\:\:\:0\end{array} }} \\ の 8 と 1 を示しながら、

「8+1=9」、

子どもが指に取っている 1 を触って、

「1 増えて、10」、

1 の真下を示して、

「10」です。

 

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 85 \\ +\: 15 \\ \hline100\end{array} }} \\ と、この子は書いて、

こちらの次のリードを待ち構えます。

 

同じようなリードで、

3~4問、

テキパキ・サッサと

答えを出すことを体験させます。

 

 

モタモタ・ダラダラと計算している子に、

テキパキ・サッサとした計算を、

まったく突然に体験させることで、

この子は、

自分がモタモタ・ダラダラとしていたことを、

ハッキリと感じます。

 

自分が自分を見る

とても分かりやすい練習です。

 

しかも、

テキパキ・サッサと計算している自分を

3~4問体験することで、

心の落ち着きも感じるはずです。

 

この子の心の良心が、

「うん、そうそう」と、

テキパキ・サッサとした計算を体験している

この子を認めるからです。

 

これは、この子が、

自分の良心の声を聞く

とても分かりやすい練習です。

 

練習することが目的です。

練習すれば、

自覚の力で自分を見ることや、

良心の声を聞くことが、

育ちます。

 

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