「どうしたら?」は、今の目の前の子を変えようとします。「どうなったら?」は、近未来の望ましい状態を、子どもをリードすることで体験させます。大きく違います。

21÷7=、20÷5=、24÷8= 。

このようなわり算の答えを書く流れが、

ギクシャクとした流れや、

一時停止しながらの流れをしています。

 

問題 21÷7= を見たら、

見た瞬間、答え 3 が出る感覚を、

もうじきにつかむ感じの子です。

 

でもまだ、つかんでいません。

 

 

21÷7= の答え 3 を、

7飛びの数の列、

7、14、21、28、・・・を利用して、探します。

 

21÷7= の 21 は、

3番目ですから、

21÷7=3 のように答えを出します。

 

実は、

7飛びの数の列 : 7、14、21、28、・・・は、

九九の 7の段の答えです。

 

「しちいちがしち(7×1=7)」、

「しちにじゅうし(7×2=14)」、

「しちさんにじゅういち(7×3=21)」、

「しちしにじゅうはち(7×4=28)」、

・・・ですから、

確かに、

7の段の答えは、

7飛びの数の列 : 7、14、21、28、・・・です。

 

 

このようなことから、

九九をスラスラと言える子に、

21÷7= の計算の仕方を、

次のような実況中継を見せて教えます。

 

以下は、こちらの見せ方の実例です。

 

21÷7= の 7 を、

赤色のペン先で示してから、

21 にペン先を固定して、

「しちいちがしち(7×1=7)」、

「しちにじゅうし(7×2=14)」、

「しちさんにじゅういち(7×3=21)」、

= の右にペン先を移動させて、

「しちさんにじゅういちのさん(3)」です。

 

リードされた子は、

自然に、心の中で自分も、

7の段の九九を唱えながら、

こちらの実況中継を見て、

21÷7=3 と書きます。

 

21÷7= の 21 が、

7飛びの数の列 : 7、14、21、28、・・・の

3番目にあることや、

7の段の九九の答えが、

7飛びの数の列になっていることを、

言葉で説明していません。

 

ただシンプルに、

21÷7= の 21 を見たまま、

7の段の九九を下から唱えて、

答えが 21 になる

7×3=21 の 3 を見つけています。

 

そして、

このようなやり方を

こちらの実況中継を見た子がつかめば、

21÷7= を、自力で計算できます。

 

 

このシンプルな計算に慣れると、

九九を下から唱えるだけですから、

その単調さに、飽きてしまいます。

 

そして、

21÷7= や、20÷5= の答えを書く流れが、

ギクシャクとした流れや、

一時停止しながらの流れになります。

 

「どうしたら?」と、

考えてしまうことが多いようです。

 

 

この「どうしたら?」は、

今のギクシャクとした流れや、

一時停止しながらの流れに対してです。

 

今を変えようとしています。

 

子どもの今のギクシャクとした流れや、

一時停止しながらの流れを見て、

「どうしたら?」と考えることで、

子どもの今を変えようとしてしまいます。

 

 

そうではなくて、

「どうなったら?」と考えます。

 

これだけのことで、

考える内容が、

まったく違ってしまいます。

 

目の前の子の

今のギクシャクとした流れや、

一時停止しながらの流れが、

「どうなったら?」と考えると、

スムースな流れになることを期待します。

 

 

するとすぐに気付きます。

 

目の前の子は、

ギクシャクとした流れや、

一時停止しながらの流れですから、

自力で、

スムースな流れに変わることを、

期待できないでしょう。

 

だから、

こちらが手伝うことになります。

 

「どうなったら?」で、

目の前の子の望ましい状態、

スムースな流れをハッキリとさせて、

でも、子どもが自力でそうなることは、

とても期待できないだろうから、

こちらが手伝うことに、

自然になります。

 

 

目の前の子の

今のギクシャクとした流れや、

一時停止しながらの流れを見て、

「どうしたら?」と考えることと、

「どうなったら?」と考えることは、

これだけ大きな違いがあります。

 

もちろんお勧めは、

「どうなったら?」です。

 

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