ジッと座ったままで、ボ~ッとするレベルが育つと、「こちらに聞くこと」ができるようになります。「こちらに聞くこと」レベルの子が育つと、「自分自身に聞くこと」ができるようになります。このレベルの子は、少し難しい問題も、自力で計算できるようになります。

 {(3ab-2a^{2}b)÷{\Large\frac{1}{2a}}}= を、

計算できない子です。

 

この子の今の育ちのレベルでは、

こちらに、

「計算の仕方」を聞くことです。

 

選ぶとはなく選んだ結果でしょう。

 

この子の内面のレベルは、

少しだけ育っていますが、

「自分自身に聞くこと」のように、

他の選択肢を思い付くレベルまで、

問題を解く流れに組み込んで、

導くようにします。

 

 

もっとも、

聞くこともできなくて、

ジッと座ったままで、

ボ~ッとするレベルではありません。

 

このレベルですと、

こちらが気づくのを、

待つとはなく待つやり方です。

 

ボ~ッとするだけのレベルの子は、

数学の計算のレベルが、

 {(3ab-2a^{2}b)÷{\Large\frac{1}{2a}}}= を計算するまで、

育っているとしても、

選ぶことができる力のレベルは、

幼児レベルのままです。

 

内面の育ち方に、

とても大きなアンバランスがあります。

 

つまり、

知性面の伸びが目立ち、

精神面や社会情緒面が劣ります。

 

 

さて、

 {(3ab-2a^{2}b)÷{\Large\frac{1}{2a}}}= の続きを、

こちらに聞いた子に、

 {÷} を示して、

「わり算」と教えて、

 {\Large\frac{1}{2a}} を示して、

「分数の形」と教えて、

「分数のわり算は、

かけ算に変えるから・・・」のように、

言葉で説明して、

教えることができます。

 

でも、

このような教え方をすると、

今のこの子に計算できない

 {(3ab-2a^{2}b)÷{\Large\frac{1}{2a}}}= を、

計算することだけを教えています。

 

「こちらに聞く」こと以外の

別の選択肢を思い付くような

この子の内面を育てていないことになります。

 

 

なお、

「こちらに聞くこと」以外の選択肢で、

今のこの子に選ぶようになってほしいのが、

「自分自身に聞くこと」です。

 

 

 {\Large\frac{1}{2a}} を、「分数の形」と見る力があります。

 

「分数のわり算は、

 {÷} の右の分数の分母と分子を入れ替えて、

 {÷} を、 {×} に入れ替えて、

わり算を、かけ算に変えて計算すること」を、

知っています。

 

つまり、

「自分自身に聞くこと」を選べば、

 {\Large\frac{1}{2a}} を、「分数の形」と見て、

「分数のわり算は、

 {÷} の右の分数の分母と分子を入れ替えて、

 {÷} を、 {×} に入れ替えて、

わり算を、かけ算に変えて計算すること」が、

できる子です。

 

自力で、

 {(3ab-2a^{2}b)÷{\Large\frac{1}{2a}}} {(3ab-2a^{2}b)×{\Large\frac{2a}{1}}}

書き換えることができます。

 

 

このように考えて、

 {(3ab-2a^{2}b)÷{\Large\frac{1}{2a}}}= の続きを、

こちらに聞いた子が、

「自分自身に聞くこと」もできることに、

「あぁ、そうか!」と気づくように導きます。

 

以下のようなリードで、

「自分自身に聞くこと」に、

気づかせることができるようです。

 

 {(3ab-2a^{2}b)÷{\Large\frac{1}{2a}}}= の「かっこ」全体を示して、

「これ、ここ」とリードして、

= の右に移します。

 

リードされた子は、

 {(3ab-2a^{2}b)÷{\Large\frac{1}{2a}}} {(3ab-2a^{2}b)}

書きます。

 

次に、

 {÷} を示して、

「掛ける( {×})」です。

 

このリードで、

 {(3ab-2a^{2}b)÷{\Large\frac{1}{2a}}} {(3ab-2a^{2}b)×} と、

この子が書き足します。

 

そして続けて、

 {(3ab-2a^{2}b)÷{\Large\frac{1}{2a}}} {(3ab-2a^{2}b)×}

{\Large\frac{1}{2a}} を示して、

「上、2a」、

「下、1」です。

 

ここまでくると、

子どもは、

「なぁんだ・・・」、

「分数のわり算のような計算だ・・・」と気づいて、

 {(3ab-2a^{2}b)÷{\Large\frac{1}{2a}}} {(3ab-2a^{2}b)×{\Large\frac{2a}{1}}}

書きます。

 

この子の知っていることだけで、

 {(3ab-2a^{2}b)÷{\Large\frac{1}{2a}}} {(3ab-2a^{2}b)×{\Large\frac{2a}{1}}} と、

書き換えていることに気づいて、

「自分でもできた・・・」となります。

 

つまり、

「自分自身に聞くこと」が育ち始めます。

 

(基本  {\normalsize {α}} -752)、(分数  {\normalsize {α}} -328)