7+8= を見ただけで、答え 15 を出す計算力は、つかむまで時間がかかります。このたし算を利用して、15-7= の答え 8 を見つける計算は、たし算で手間取ったように、手間取ります。

13-7=、14-5=、11-8=、・・・・・・。

このようなひき算 100問を計算している子です。

 

この子の答えの出し方は、

たし算の逆です。

 

例えば、

13-7= でしたら、

7+6=13 から、

6 を見つけて、

13-7=6 です。

 

14-5= でしたら、

5+9=14 ですから、

14-5=9 です。

 

この計算を言葉で説明すれば、

11-8= でしたら、

「8 に何かを足して、11 にする何か?」と、

こうなります。

 

8 に、3 を足せば、

8+3=11 ですから、

このような説明の「何か?」が、

3 になります。

 

これから、

11-8=3 と答えを出します。

 

 

引き算の計算の仕方は、

これ以外にも、

13-7= の 13 の前の 12 から、

-7 の 7回逆向きに数えて、

12、11、10、9、8、7、6 と、

答え 6 を出す方法があります。

 

あるいは、

13-7= の 13 の一部分 10 から、

10-7=3 と計算して、

13 から、10 を使った残りの 3 を足せば、

3+3=6 と、

答えを出せます。

 

10-7= は、

10 の補数ですから、

たし算の感覚で、

子どもがすぐに覚えます。

 

 

このようにさまざまな

ひき算の計算の仕方があります。

 

これらのどれで計算しているとしても、

それぞれに特有の「壁」があります。

 

13-7= のようなひき算 100問を、

たし算を利用して、計算している子は、

乗り越えることが難しい「壁」を感じています。

 

乗り越えにくい「壁」を感じると、

「壁」から逃げる子がほとんどです。

 

だから、この子も、

乗り越えにくい「壁」を感じて、

逃げ出しています。

 

13-7= のようなひき算の

答えを出すことから逃げ出して、

何か他のことをしています。

 

例えば、

ボ~ッとすることもあれば、

ウトウトと眠りかかることもあれば、

おしゃべりを始めることもあれば、

いたずら書きを始めることもあります。

 

 

さて、

13-7= を、

たし算の逆を利用して、

7+6=13 から、

答え 6 を出している子は、

足して 13 にするために、

7 に足す数をアレコレと試行錯誤しています。

 

思い付いた数を、

7 に足すだけのことですが、

アレコレと試行錯誤すること自体に、

乗り越えにくい「壁」を感じています。

 

 

この子は、

たし算を利用して、

ひき算の答えを出します。

 

利用するたし算は、

問題を見るだけで、

瞬時に答えを出す計算力があります。

 

この計算力を、

つかむまでの難しさは、

たし算の問題ごとに違います。

 

例えば、

問題 7+8= は、

大多数の子に、

問題を見たら答えが出る計算力をつかむまで、

長い時間が必要です。

 

ですから、

このたし算 7+8= を利用する

ひき算 15-7= は、

やはり、答え 8 を見つけにくい計算です。

 

13-7= よりも、

15-7= の方が、

たし算で答えを見つけにくいようです。

 

そして、

15-7= のように、

たし算 7+8= を利用しにくいひき算が、

アレコレと試行錯誤することに、

難しさを感じて、

たし算を利用するひき算の「壁」になります。

 

 

15-7= のように、

難しさを感じさせるひき算で、

モタモタしていたら、

次のようなリードで、

この子のひき算を手伝います。

 

15-7= の = の右を示して、

「8」です。

 

答えだけを、

ズバリ言います。

 

子どもが、

15-7=8 と書いた後、

7 と、8 と、15 をこの順に示しながら、

「7+8=15」です。

 

このような手助けで、

一時的に「壁」が消えたために、

子どもの気持ちが軽くなり、

元気が回復して、

次のひき算 13-7= の答え 6 を、

速いスピードで出し始めます。

 

(基本  {\normalsize {α}} -755)、(+-  {\normalsize {α}} -401)