筆算のひき算も、分数のひき算も、そのままでは引けないことがあります。引くことができるように工夫してから、引きます。筆算のひき算の工夫は、頭の中で行います。分数のひき算の工夫は、途中式として書きます。

 {\Large\frac{4}{7}} {\Large\frac{6}{7}}= の答えを出すとき、

分母が、7 にそろっていますから、

分子同士の 4−6= を計算します。

 

マイナスの数の計算を習う前の子ですから、

ひき算 4−6= を計算できません。

答えを出せません。

 

 

でも、

 {\Large\frac{4}{7}} {\Large\frac{6}{7}}= が計算できないのではなくて、

4−6= が、計算できないのです。

 

同じような計算に、

筆算のひき算で出会っています。

 

{ \normalsize { \begin{array}{rr}\:\:\:\: 54 \\ - 28 \\ \hline \end{array} }} \\ のような筆算のひき算です。

 

筆算のひき算は、最初に、

一の位の上から下を引きます。

 

この問題では、4−8= ですが、

計算できません。

 

でも、

{ \normalsize { \begin{array}{rr}\:\:\:\: 54 \\ - 28 \\ \hline \end{array} }} \\ が計算できないのではありません。

 

一の位のひき算、

4−8= が計算できないのです。

 

だから工夫して、

4−8= の 4 に、1 を付けて、

14 にしてから、

14−8= とします。

 

このひき算 14−8= は、計算できて、

答えは、6 です。

 

{ \normalsize { \begin{array}{rr}\:\:\:\: 54 \\ - 28 \\ \hline \end{array} }} \\ の一の位のひき算、

4−8= が計算できないので、

14−8= のように工夫して、

計算できるように変えています。

 

ですから、

筆算のひき算 { \normalsize { \begin{array}{rr}\:\:\:\: 54 \\ - 28 \\ \hline \end{array} }} \\ は、

計算できます。

 

 

 {\Large\frac{4}{7}} {\Large\frac{6}{7}}= のひき算も、

4−6= を計算できませんから、

工夫して、計算できるようにします。

 

ここでは、

引けるようにする工夫の内容を、

計算だけで説明します。

 

 {\Large\frac{4}{7}} {\Large\frac{6}{7}}= の 1 {\Large\frac{4}{7}} を工夫します。

 

 {\Large\frac{4}{7}} の 1 は、

 {\Large\frac{7}{7}} と書き換えることができます。

 

 {\Large\frac{4}{7}} は、

1+ {\Large\frac{4}{7}} の + を省略した書き方です。

 

この 2つのことから、

 {\Large\frac{4}{7}}=1+ {\Large\frac{4}{7}} {\Large\frac{7}{7}} {\Large\frac{4}{7}} {\Large\frac{11}{7}} と、

書き換えることができます。

 

 {\Large\frac{4}{7}} を、

 {\Large\frac{11}{7}} に書き換えますから、

 {\Large\frac{4}{7}} {\Large\frac{6}{7}}= が、

 {\Large\frac{11}{7}} {\Large\frac{6}{7}}= に書き換わります。

 

 

 {\Large\frac{4}{7}} {\Large\frac{6}{7}}= の 4−6= は、

引くことができません。

 

書き換えただけですが、

 {\Large\frac{11}{7}} {\Large\frac{6}{7}}= の 11−6= は、

引くことができて、

答えは、5 です。

 

このように工夫して、

引くことができない引き算

 {\Large\frac{4}{7}} {\Large\frac{6}{7}}= の 4−6= を、

引くことができる引き算

 {\Large\frac{11}{7}} {\Large\frac{6}{7}}= の 11−6= に、

書き換えます。

 

 

ここで少しだけ、

参考までに補足します。

 

計算問題の目的は、

答えを出すことです。

 

いまさら何を・・・のようなことですが、

答えを出すことだけに、

狭く絞り込むことが、

実は、意外と難しいのです。

 

例えば、

{ \normalsize { \begin{array}{rr}\:\:\:\: 54 \\ - 28 \\ \hline \end{array} }} \\ の 4−8= に、

「隣から、1 を借りて・・・」のように、

ただ、1 を付けて、

4 を、14 にするだけではなくて、

何らかの説明を求めてしまうことです。

 

こうなることを防ぐために、

計算する前に、

「答えを出す」とはっきりと意識しておきます。

 

「答えを出す」目的から外れて、

脇道に迷い込み、

「なぜ?」のような理由を求めることを防ぎ、

「答えを出す」ことだけに絞って、

「こうすれば答えを出すことができる」に、

フォーカスするように自制します。

 

そうですが、

「答えを出す」目的にフォーカスする習慣は、

育てることが難しいことを承知しておきます。

 

だから、こちらは、

答えを出すことだけに絞った教え方をして、

子どもが「答えを出す」目的にフォーカスする

手助けをします。

 

 

{ \normalsize { \begin{array}{rr}\:\:\:\: 54 \\ - 28 \\ \hline \end{array} }} \\ の一の位のひき算 4−8= は、

引くことができませんから、

14−8= と工夫することで、

引くことができるようにしています。

 

でも、

筆算 { \normalsize { \begin{array}{rr}\:\:\:\: 54 \\ - 28 \\ \hline \end{array} }} \\ を書き換えたりしないで、

頭の中で、

4−8= を、

14−8= にして、

引くことができるようにしています。

 

一方で、

このままでは、

引くことができない分数のひき算 1 {\Large\frac{4}{7}} {\Large\frac{6}{7}}= は、

頭の中で式を書き換えるのではなくて、

引くことができるように工夫した式  {\Large\frac{11}{7}} {\Large\frac{6}{7}}= を、

途中式として、

 {\Large\frac{4}{7}} {\Large\frac{6}{7}} {\Large\frac{11}{7}} {\Large\frac{6}{7}}= のように書くのが普通です。

 

(基本  {\normalsize {α}} -792)、(分数  {\normalsize {α}} -343)