筆算の繰り下がりの引き算の「答えの出し方」を教える対象に絞れば、具体的ですから、子どもが、自力で答えを出せるようになれば、教えたことになります。答えを出せるようにならなければ、まだ十分に教えたことになりません。

{ \normalsize { \begin{array}{rr}\:\:\:\: 32 \\ - 15 \\ \hline \end{array} }} \\ の「答えの出し方」を教えます。

 

「計算の仕方」を教える・・・のように、

目的を曖昧にすることが多いようです。

 

目的が曖昧であれば、

教えているこちらの子どもの評価の仕方が、

やはり、曖昧になります。

 

それでも、

「計算の仕方」を教えようとすれば、

「計算できるようになったかどうか」で

子どもを評価しようとします。

 

「計算できるようになった?」や、

「計算できるようになっていない?」を、

子どもの動きを見て、

感じようとしても、

「計算できる」が曖昧なために、

感じることができません。

 

 

少しだけ変えて、

「答えの出し方」を教えると絞れば、

「答えを出せるようになったかどうか」で、

子どもを評価しますから、

子どもの動きから、

かなり正確に評価できます。

 

自力で、

{ \normalsize { \begin{array}{rr}\:\:\:\: 32 \\ - 15 \\ \hline \end{array} }} \\ を計算している子の

「答えの出し方」に絞って、

こちらが見るからです。

 

 

それだけではなくて、

{ \normalsize { \begin{array}{rr}\:\:\:\: 32 \\ - 15 \\ \hline \end{array} }} \\ の「答えの出し方」を教えると絞ることで、

「答えの出し方だけを教えているかどうか」で、

教えているこちら自身を、

リアルタイムで評価しますから、

「答えの出し方」に鋭く狭く

絞り込んで教えるようになります。

 

また、同時に、

子どものことを、

「答えを出せるようになったかどうか」で、

自然に、しかも自動的に、

鋭く狭く絞り込んで、

評価するようになりますから、

かなり正確に評価できます。

 

 

答えの出し方を教えることと、

計算の仕方を教えることとで、

ほんのわずかな違いのようですが、

こちらの教え方や、

子どもの評価の仕方が、

このように大きく違います。

 

ですから、

「答えの出し方を教える」と、

ハッキリと意識して、

絞ることをお勧めします。

 

こちらの教え方も、

子どもの評価の仕方も、

鋭く狭く絞り込まれますから、

余計なことを教えなくなり、

自力で答えを出せるようになったらしい・・・と、

かなり正確に評価できて、

教えすぎることがなくなります。

 

 

答えの出し方を教えることに

鋭く狭く絞り込むことができるのは、

こちらの答えの出し方を見せる教え方です。

 

つまり、

子どもに見せることが、

答えの出し方そのものなのです。

 

以下のような実例が、

答えの出し方の見せ方で、

実況中継しています。

 

{ \normalsize { \begin{array}{rr}\:\:\:\: 32 \\ - 15 \\ \hline \end{array} }} \\ の 3 と 1 を隠して、

{ \normalsize { \begin{array}{rr}\:\:\:\:\:\:\: 2 \\ -\:\:\: 5 \\ \hline \end{array} }} \\ のように見えるようにして、

「2-5、引けない」、

「12-5=7」と計算します。

 

そして、

5 の真下を示して、

「ここ、7」です。

 

見ていた子は、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} \:\:\:\:32 \\ -\: 15\\ \hline \:\:\:\:7\end{array} }} \\ と書きます。

 

「答えの出し方」を教えると決めていますから、

こちらが教える内容が、

鋭く狭く絞り込まれています。

 

そして、

見ている様子や、

こちらが出した答えを書いている様子を、

周辺視野で感じながら、

「自力で答えを出せることに近付いた?」で、

自然に自動的に評価しています。

 

 

実況中継を続けます。

 

 {\normalsize { \begin{array}{rr} \:\:\:\:32 \\ -\: 15\\ \hline \:\:\:\:7\end{array} }} \\ の 3 を示して、

「1 減って、2」とリードして、

15 の 1 を示して、

「2-1=1」、

15 の 1 の真下を示して、

「ここ、1」です。

 

「答えの出し方」を見ている子が、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} \:\:\:\:32 \\ -\: 15\\ \hline \:17\end{array} }} \\ と書きます。

 

やはり、

自然に自動的に、

「自力で答えを出せることに近付いた?」で、

リアルタイムに子どもを評価します。

 

すると面白いことに、

評価されている子ども自身、

「自力で答えを出せる?」で、

何となくですが、

自分が自分を評価するようになり、

「答えの出し方」に鋭く狭く絞り込んで、

こちらが見せる実況中継を見るようになります。

 

(基本  {\normalsize {α}} -803)、(+-  {\normalsize {α}} -428)