こちらから学ぶ子どもは、どうしてもこちらに依存します。工夫することで、こちらへの依存を限りなく小さくできます。こうすれば、自力で答えを出す主体性で、答えの出し方を学ばせることが可能です。

算数や数学の計算の

答えの出し方を教える目的は、

自力で答えを出せるようになることです。

 

ですから、

こうすれば答えが出る理由を

知って、理解するためではありません。

 

さらに、

答えの出し方の理由を理解でることと、

自力で答えを出せることとは、

無関係です。

 

つまり、

理解できれば、

自力で答えを出せるようになり、

理解できなければ、

自力で答えを出せないのであれば、

強い関係があるのですが、

実際には、

理解できているのに、

自力で答えを出せないことも起こりますし、

理解できていなくても、

自力で答えを出せることも起こります。

 

無関係です。

 

 

自力で答えを出すのですから、

誰かに頼る依存ではなくて、

自分自身に頼るしかないのです。

 

自分が、自分自身に頼ることが主体性ですから、

答えの出し方を教えるとき、

初めから、主体的に学ばせるようにします。

 

主体的に学ばせるようにしますが、

こちらが子どもに教えますから、

子どもはこちらに、

どうしても依存してしまいます。

 

 

そこで、

依存する部分を

徹底的に少なくすることで、

なるべく依存させないようにして、

主体的に学ばざるを得ないようにします。

 

こうできる教え方の一例が、

実況中継型リードです。

 

教えるのではなくて、

答えを出している様子を見せるだけにして、

見ることでまねするようにさせます。

 

もちろん、

見る対象を徹底的に少なくすることで、

子どもの依存を少なくして、

主体的にならざるを得ないようにします。

 

 

さて、

見る対象を、

最も簡単に減らせるのが、

こちらの顔を子どもの視界から消すことです。

 

こちらの顔を完全に消せる位置は、

子どもの真後ろです。

 

次にお勧めの位置は、

子どもと直角の位置です。

 

それから、

横並びの位置です。

 

こちらの顔を

子どもの視界から消すことができる位置です。

 

 

計算と、位置との相性の例です。

 

真後ろから教えることに向いているのが、

8+5=  のたし算や、

11-3=  のひき算です。

 

直角から教えることに向いているのが、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 34 \\ +\: 98 \\ \hline \end{array} }} \\  の筆算のたし算や、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} \:\:\:\:403 \\ - \: 158 \\ \hline \end{array} }} \\  の筆算のひき算や、

{\normalsize {\begin{array}{rr}\:123 \\ \:\:\times\:\:\:\:\:\: 2\\ \hline \end{array}}}\\  の筆算のかけ算です。

 

横並びから教えることに向いているのが、

 {\Large\frac{1}{4}}÷1 {\Large\frac{1}{5}}× {\Large\frac{4}{5}} {\Large\frac{1}{3}}×3 {\Large\frac{3}{5}}=  の四則混合の

計算順を教えるときです。

 

 

8+5=  のたし算を例にして、

少し踏み込みます。

 

子どもの真後ろから、

子どもの肩越しに腕を出して、

子どもの真後ろから、耳元に話します。

 

そして、

8+5=  の 8 を示して、

「はち」と声に出して言って、

5 を示して、

「く、じゅう、じゅういち、じゅうに、じゅうさん」と、

声に出して言って、

= の右の余白を示します。

 

子どもが見るのは、

目の前の問題  8+5=  と、

こちらが子どもの肩越しに突き出した手と、

持っているペンの動きです。

 

そして聞くのは、

真後ろからのこちらの声です。

 

子どもは、

こちらに頼れなくなりますから、

主体的に学ぶしかなくなります。

 

(基本  {\normalsize {α}} -1347)、(+-  {\normalsize {α}} -737)

(×÷  {\normalsize {α}} -236)、(分数  {\normalsize {α}} -536)

 

関連:2023年07月05日の私のブログ記事

「こちらが、子どもの後ろにいてリードするだけで、

子どもは、主体性の率先力で、

自分が計算しているように感じてしまいます」。