書き忘れのミスを、訂正することは難問です。子どもが確実にできることは、もう一度、計算し直すことです。書き忘れを探させるのではありません。もう一度、計算し直すことをリードします。

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 812 \\ +\: 373 \\ \hline \end{array} }} \\  を、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 812 \\ +\: 373 \\ \hline1185\end{array} }} \\  と計算できる子です。

 

それなのに、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 376 \\ +\: 848 \\ \hline \end{array} }} \\  は、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 376 \\ +\: 848 \\ \hline224\end{array} }} \\  のように答えます。

 

この子の答えに、

千の位の 1 を、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 376 \\ +\: 848 \\ \hline1224\end{array} }} \\  のように書くだけで、

正しい答えになります。

 

 

この子の答え   {\normalsize { \begin{array}{rr} 376 \\ +\: 848 \\ \hline224\end{array} }} \\  を

残したまま、

問題   {\normalsize { \begin{array}{rr} 376 \\ +\: 848 \\ \hline \end{array} }} \\  だけを見て、リードして、

計算し直します。

 

正しい答えを出せないこの子にできることは、

計算し直すことです。

 

間違えている箇所を探させようとしても、

書いてある答えは全て正しいのですから、

間違えてはいないために、

探しようがないのです。

 

ただ、

千の位の 1 が書いてないだけですから、

このミスを探すことは、

難しすぎます。

 

書き忘れのミスをしても、

答えを出した子です。

 

もう一度、計算し直すことならば、

確実にできることです。

 

 

次のような実例で、

計算のし直しをリードします。

 

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 376 \\ +\: 848 \\ \hline224\end{array} }} \\  の一の位の 6 と 8 を示して、

「6+8=14」、

この子の答えの一の位の 4 を示して、

「合っている」と認めてから、

「指、1」とリードします。

 

続いて、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 376 \\ +\: 848 \\ \hline224\end{array} }} \\  の十の位の 7 と 4 を示して、

「7+4=11」、

この子が指に取った 1 を触って、

「1 増えて、12」、

この子の答えの十の位の 2 を示して、

「合っている」と認めてから、

「指、1」とリードします。

 

そして、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 376 \\ +\: 848 \\ \hline224\end{array} }} \\  の百の位の 3 と 8 を示して、

「3+8=11」、

この子が指に取った 1 を触って、

「1 増えて、12」、

この子の答えの百の位の 2 を示して、

「合っている」と認めてから、

その左隣(千の位)の余白を示して、

「ここ、1」とリードします。

 

 

リードされた子は、

自分がした計算ですから、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 376 \\ +\: 848 \\ \hline224\end{array} }} \\  の計算のし直しを、

心の中で行っていて、

だから、

「あっ、そうか」、

「1 を書くのか・・・」のように捉えて、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 376 \\ +\: 848 \\ \hline1224\end{array} }} \\  と書きます。

 

このように計算し直す教え方をされた子は、

自分の計算   {\normalsize { \begin{array}{rr} 376 \\ +\: 848 \\ \hline224\end{array} }} \\  が、

正しくできていたことを知って、

ただ、1 を書けばよかったことを、

「そうか、書いてしまうのか・・・」と納得します。

 

(基本 {\normalsize {α}} -882)、(+-  {\normalsize {α}} -470)