数字を、位取り記法で書くから、筆算のひき算の繰り下がりが出ます。帯分数のひき算は、一部分だけ仮分数に変えなければ、計算できません。どうしてなのかを説明して、理解できる学力は、計算レベルよりもずっと先です。

{ \normalsize { \begin{array}{rr}\:\:\:\: 54 \\ - 28 \\ \hline \end{array} }} \\  の一の位のひき算  4-8=  は、

引くことができません。

 

でも、

54 から、28 を引くことはできます。

 

4-8=  のような

引くことのできないひき算が出るのは、

位取りを利用して、

数字を書いているからです。

 

 

54 は、

10 が、5つに、

1 が、4つです。

 

数式では、

5×10+4  が、54 のことです。

 

同じように、

28 は、

2×10+8  です。

 

位取りを利用した数字を、

筆算にすると、

{ \normalsize { \begin{array}{rr}\:\:\:\: 54 \\ - 28 \\ \hline \end{array} }} \\  ですが、

筆算にしないで、

数式にすれば、

(5×10+4)-(2×10+8)=  です。

 

 

この数式で見て、

4-8=  ができなければ、

5×10 から、10 を 1つだけ、

4 に持ってきて、

14 にします。

 

これで、

14-8=  に変わりますから、

引くことのできるひき算に変わって、

答え 6 を出すことができます。

 

引くことができない

一の位のひき算  4-8=  が、

出てしまうのは、

位取りを利用して、数字を書いているからです。

 

 

筆算のひき算  { \normalsize { \begin{array}{rr}\:\:\:\: 54 \\ - 28 \\ \hline \end{array} }} \\  を、

計算するレベルの子に、

このような長い説明をしても、

理解することが難しいはずです。

 

だから、

説明を抜いて、

{ \normalsize { \begin{array}{rr}\:\:\:\: 54 \\ - 28 \\ \hline \end{array} }} \\  の 4 と 8 を示して、

「4-8=、引けない」とリードしてから、

「14-8=6」と計算することだけを、

子どもにつかませて、

{ \normalsize { \begin{array}{rr}\:\:\:\: 54 \\ - 28 \\ \hline \end{array} }} \\  の答えを出せるように育てます。

 

引くことができないひき算  4-8=  が、

どうして出てしまうのかの説明を、

この子が理解できる学力になるのを待ちます。

 

 

 {\Large\frac{4}{7}} {\Large\frac{6}{7}}=  の

分子同士のひき算  4−6=  が、

出てしまう理由は、

分数の書き方に、

帯分数 1 {\Large\frac{4}{7}} があるからです。

 

帯分数を使わないで、

仮分数  {\Large\frac{11}{7}} にすれば、

 {\Large\frac{4}{7}} {\Large\frac{6}{7}}=  ではなくて、

 {\Large\frac{11}{7}} {\Large\frac{6}{7}}=  ですから、

分子同士が引けない計算が出ません。

 

 

帯分数 1 {\Large\frac{4}{7}} を使う理由は、

大きさが分かるからです。

 

帯分数 1 {\Large\frac{4}{7}} から、

その大きさは、

1 と 2 の間で、

真ん中よりも少し 2 に近いと分かります。

 

仮分数  {\Large\frac{11}{7}} であれば、

帯分数 1 {\Large\frac{4}{7}} と同じ分数ですが、

大きさが分かりにくいのです。

 

 

さて、

 {\Large\frac{4}{7}} {\Large\frac{6}{7}}=  の答えの出し方を教えるとき、

4 と 6 を示して、

「4-6=、引けない」と教えてから、

帯分数 1 {\Large\frac{4}{7}} を、

仮分数  {\Large\frac{11}{7}} に変えることを、

どうしてなのかの理由を説明しないで、

計算だけを教えて、

 {\Large\frac{11}{7}} {\Large\frac{6}{7}}=  に書き換えさせます。

 

大きさが分かりやすい帯分数を使っているから、

引くことができない  4-6=  のような

ひき算が出てしまうことまで、

この計算レベルの子に説明しても、

理解することが難しいはずです。

 

引くことができないひき算が出てしまう理由を、

この子が理解できる学力になるのを待ちます。

 

(基本 {\normalsize {α}} -899)、(+-  {\normalsize {α}} -479)、(分数  {\normalsize {α}} -387)