「分からない」と聞く子は、
「分からない」と聞くことを、
先に決めている子です。
問題を見る前に、
「分からない」と、
先に決めています。
もちろん、
子どもは意識していません。
自分が先に、
「分からない」と聞くことを決めていて、
そして、
問題を見て、計算しようとして、
「分からない」と聞く順になっていると、
意識していません。
問題を見てから、
「分からない」と決めて、
だから、
「分からない」と聞いていると、
この子は、思っています。
ですが、
問題を見てから、
「この問題は、分からない」と、
決めることができるのでしたら、
この子の計算の力は、
もっと高いのです。
その問題を計算することが、
この子の力量にちょうどなのでしたら、
「分かる」や、
「分からない」を、
見ただけで決めることなどできないのです。
問題を見ただけで、
「分からない」と決めるのですから、
とても高い計算の力が必要なのです。
24÷2= や、
40÷10= で、
「分からない」と
多くの子が聞きます。
16÷2= でしたら、
2×8=16 の九九を利用して、
16÷2=8 と計算できます。
でも、
24÷2= は、
2×9=18 の答え 18 以上の 24 を、
2 で割るわり算です。
2の段の九九を利用して、
24÷2= を、
計算できません。
ですから、
「分からない」ではありません。
無意識に、
「分からない」と聞くと、
心の中で、先に決めているから、
「初めて見る」くらいのことで、
「分からない」と聞きます。
先に、
「分からない」と聞くと、
決めているからです。
40÷10= も同じようなことです。
九九は、9の段までです。
10の段の九九を、覚えていません。
仮に、
10の段の九九を覚えていて、
利用できるのでしたら、
10×4=40 から、
40÷10=4 と計算できます。
でも普通は、
9の段までで、
10の段を覚えていません。
と、
このように考えて、
「分からない」ではないのです。
先に、
「分からない」と聞くことを、
決めているからです。
このような幼稚な聞き方をされたとき、
次のようにすることがお勧めです。
24÷2= や、
40÷10= で、
「分からない」と聞かれたら、
即、答えの出し方を見せます。
「即」です。
24÷2= でしたら、
24 の 4 を隠して、
「2÷2、1」と割って、
= の右を示して、
「ここ、1」です。
「即」リードされた子は、
「即答」にやや驚きながらも、
24÷2=1 と書きます。
こちらは続けて、
24÷2=1 の 4 を示して、
「4÷2、2」と割って、
子どもが書いた答え 1 の右を示して、
「ここ、2」です。
「えっ、そうなの?」のような感じで、
半信半疑のまま、子どもは、
24÷2=12 と書きます。
ユックリとリードしても、
10秒以下です。
この「10秒以下」が、
とても重要です。
40÷10= でしたら、
40 の 0 を示して、
「ゼロ、取って、4」と言って、
= の右を示して、
「ここ」です。
「えっ、何なの?」のような感じですが、
40÷10=4 と書きます。
こちらは、
5秒も掛かりません。
このように、
「即」、
答えの出し方を見せ始めて、
5秒や、10秒の短い時間で、
子どもに答えを書き終わらせてしまいます。
「分からない」と聞かれたら、
このように、「即」に、
短時間で、答えの出し方を見せて、
答えを書き終わらせていると、
数秒や、
数十秒で答えを出せる計算に、
「分からない」と聞くことが、
馬鹿らしいような、
情けないような、
不思議な気持ちを感じて、
子どもは自然に、
自ら、「分からない」と聞くことをやめます。
そして、
「どうやるの?」のような感じで、
答えの出し方を聞くようになります。
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