アレコレと見える中から、見るべきところだけを見ます。さまざまな騒音の中で、聞くべきことだけを聞きます。生まれながらに持っている力です。この力を利用して、手順のある筆算のたし算の答えの出し方を教えます。

計算問題の一部分だけを見る

目の焦点の絞り方です。

 

言葉で説明して、

理解させて、

その理解で、

見たいところだけを見る目の使い方が

できるようになるのでは

ないのです。

 

生まれながらに備わっている力です。

 

 

見たいところだけを見ます。

聞きたいことだけを聞きます。

不思議な力です。

 

見たいところ以外も

見えています。

 

でも、

見ていません。

 

聞きたいところ以外も

聞こえています。

 

でも、

聞きません。

 

雑踏の中で、

会いたい人だけを見ることや、

さまざまな騒音が聞こえる中で

話し相手の声だけを聞く力です。

 

 

さて、

筆算のたし算の計算から、

手順が出ます。

 

一の位だけを足して、

次に、

十の位だけを足して、

それから、

百の位だけを足して、

・・・のような計算の手順です。

 

一の位だけを足すとき、

一の位だけを見て計算します。

 

十の位や、

百の位も見えていますが、

今する計算は

一の位のたし算ですから、

それ以外の位を見ていません。

 

 

このように

今の計算に必要な一部分だけを見る

目の使い方は、

無意識にしていることです。

 

意識して、

今の計算に必要な

一部分だけを見ていません。

 

無意識に、

一部分だけを見ています。

 

 

このような特殊な見方を、

誰でもできる前提で教えます。

 

教える必要のないことだと、

意識して、

取り立てて決めてもいないのです。

 

考えることもないのです。

 

教える必要がないと、

無意識に判断して、

そして、

無意識のまま、

計算だけを教えています。

 

 

例えば、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 27 \\ +\: 15 \\ \hline \end{array} }} \\  の一の位の  7+5=  を

教えるとき、

筆算のたし算の

最初のたし算を教えています。

 

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 27 \\ +\: 15 \\ \hline \end{array} }} \\  の

一部分の 7 と 5 だけを見ているようなことは、

教える対象ではないのです。

 

上の 7 から、

下の 5 を、

つまり、

上から下に見るようなことを

教えることがあるとしても、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 27 \\ +\: 15 \\ \hline \end{array} }} \\  の一部分の 7 と 5 だけを見ると、

一部分だけを見ていることを、

取り立てて教えていません。

 

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 27 \\ +\: 15 \\ \hline \end{array} }} \\  の一部分の 7 と 5 だけを見るとき、

もちろん、

十の位の 2 と 1 も見えていますが、

見えていても、

見ていないようなことも

取り立てて教えません。

 

今の計算のために、

見るべき一部分だけを見るような力は、

持っているし、

使えることが前提ですから、

このようなこと自体を、

意識しないままに、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 27 \\ +\: 15 \\ \hline \end{array} }} \\  の答えを出すための

計算の手順だけを教えています。

 

 

ですが、

一部分だけを見ることも教えることを、

こちらが意識して教えると、

一部分だけを見ることを

数問で

子どもに教えることができます。

 

ほんの少し意識することと、

ほんの少し、

手間を掛けるだけなのです。

 

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 27 \\ +\: 15 \\ \hline \end{array} }} \\  の 7 を、

赤いペン先のような何かで、

無言で示して、

すぐに、

5 を無言で示すだけです。

 

こちらが、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 27 \\ +\: 15 \\ \hline \end{array} }} \\  の 7 を、

赤いペン先のような何かで、

無言で示すとき、

こちらは、

今、見るべき 7 だけを見ています。

 

こうしているこちらは、

今の計算に必要な一部分だけを見ることも

教える対象と

ハッキリと意識しています。

 

このように意識しているこちらが、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 27 \\ +\: 15 \\ \hline \end{array} }} \\  の 7 を、

赤いペン先のような何かで、

無言で示しています。

 

すると子どもは、

「えっ、7 だけを見るの?」のような

言葉にならない感覚で、

こちらがしているように、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 27 \\ +\: 15 \\ \hline \end{array} }} \\  の 7 だけを、

見よう見まねで

見るようになります。

 

(基本  {\normalsize {α}} -1106)、(+-  {\normalsize {α}} -594)