計算問題 63×4= に、
何も書かないで、
ただ「分からない」と聞く子です。
答えを出せないとき、
聞くこともできなくて、
何もしないで、
ただジッと助けを待つレベルを、
この子は、
乗り越えています。
ですから、
「分からない」と聞く子は、
内面が少し育っています。
これ自体、
大きな育ちです。
ですが、
自力で答えを出すことへの
主体性が弱いのですから、
甘えの依存が残っています。
つまり、
何も書かないままであるけれど、
「分からない」と聞く主体性はあります。
でも、
やろうと思えば、
自力で計算できるはずの最初の一歩、
つまり、
63×4= の 4 と 3 を、
この順に、右から左の向きに掛けて、
4×3=12 と計算して、
63×4= 2 と書くこともしないまま、
「分からない」ですから、
主体性がとても弱いのです。
このように考えると、
この子に教えることは、
2つです。
① 63×4= の繰り上がりの計算の仕方、
② 主体性のレベルを高めること
この 2つです。
そして、
この 2つを同時に教えます。
こちらが自力で答えを出す様子を見せる
実況中継型リードをすれば
2つを、同時に教えることができます。
例えば、
63×4= の 4 と 3 を、
4×3=12 と掛けて、
= の右に、2 を、
63×4= 2 と書かせて、
1 を、指に取らせます。
続いて、
63×4= 2 の 4 と 6 を、
4×6=24 と掛けて、
子どもが指に取っている 1 を、
24+1=25 と足して、
= の右に、25 を、
63×4= 252 と書かせます。
このような指導を、
実況中継型リードで行えば、
教えている内容が、
答えの出し方を見せているだけですから、
子どもは、
答えの出し方を理解しようとして、
自動的に
強い主体性になります。
つまり、
子ども自身で、
自分の主体性を育てます。
(基本 -1144)、(×÷ -206)