計算ミスを、自力で正せる子を育てます。今、自力でできるミスの正し方を教えて、繰り返させることが、確実です。

ミスした計算の

子どもが自力でできる正し方は、

限られています。

 

普通、

ミスを探し出すことや、

そこだけを消して

書き直すことを、

子どもに指示します。

 

子どもが、

自力でできると仮定するからです。

 

ですが、

ミスを探し出すことは、

こちらが思っている以上に

子どもには大きな負担で、

自力でできそうで

じつは

自力ではできないことです。

 

例えば、

どこかにミスある子どもの解答 :

 {\Large\frac{8}{9}}+1 {\Large\frac{7}{9}}=4 {\Large\frac{15}{9}}=5 {\Large\frac{6}{9}}=6 {\Large\frac{2}{3}}  から、

子どもが自力で、

最後の約分  5 {\Large\frac{6}{9}}=6 {\Large\frac{2}{3}}  で、

整数部分 5 を、

6 としたミスを探し出すことです。

 

 

2つの分母が、

9 と同じ帯分数のたし算  3 {\Large\frac{8}{9}}+1 {\Large\frac{7}{9}}=  に、

まだ不慣れな状態で、

それでも何とか足して出した

答えの帯分数 4 {\Large\frac{15}{9}}

分数部分  {\Large\frac{15}{9}} を、

仮分数から帯分数に変えて、

帯分数 5 {\Large\frac{6}{9}} にした上に、

さらに、

分数部分  {\Large\frac{6}{9}} を、3 で約分して、

 {\Large\frac{2}{3}} にする計算です。

 

帯仮分数 4 {\Large\frac{15}{9}}

仮分数部分  {\Large\frac{15}{9}} を、

帯分数 1 {\Large\frac{6}{9}} にして、

帯仮分数 4 {\Large\frac{15}{9}} を、

 {\Large\frac{15}{9}}=4+ {\Large\frac{15}{9}}=4+1 {\Large\frac{6}{9}}=5 {\Large\frac{6}{9}} のように

書き換えるだけで、

子どもの頭は、かなり疲れています。

 

それでも、

帯分数 5 {\Large\frac{6}{9}}

分数部分  {\Large\frac{6}{9}} が、

3 で約分できることに気付いて、

3 で約分して、

 {\Large\frac{6}{9}} {\Large\frac{2}{3}} としたら、

もう、何かを考える余裕などなくて、

この直前の計算で、

帯仮分数 4 {\Large\frac{15}{9}} を、

帯分数 5 {\Large\frac{6}{9}} に書き換えたように、

 {\Large\frac{6}{9}} の整数部分 5 を、

6 にしてしまい、

 {\Large\frac{6}{9}}=6 {\Large\frac{2}{3}} としてしまいます。

 

このようにして、

やっとの思いで、

どうにか計算したのですから、

自分がどのような計算をしているのか

正確に捉えていません。

 

 

それだけに、

子ども自身正しくできたと、

思っていませんから、

「☓(バツ)」が付いても、

「やはりな」、

「間違っていると思っていたのだ」と

受け入れています。

 

自分の答え :

 {\Large\frac{8}{9}}+1 {\Large\frac{7}{9}}=4 {\Large\frac{15}{9}}=5 {\Large\frac{6}{9}}=6 {\Large\frac{2}{3}}  の中の

間違えた所を探し出せると

子どもは思っていません。

 

 

だから、

「自力で直すよう」言われたら、

自分の答え :

 {\Large\frac{8}{9}}+1 {\Large\frac{7}{9}}=4 {\Large\frac{15}{9}}=5 {\Large\frac{6}{9}}=6 {\Large\frac{2}{3}}  を

すべて消してしまって、

もう一度、

計算問題  3 {\Large\frac{8}{9}}+1 {\Large\frac{7}{9}}=  を、

初めから計算します。

 

「嫌だなぁ」、

「分からないのだから、

教えてくれればいいのに・・・」と思いながら、

ダラダラと計算し直します。

 

正しく解ける状態ではありません。

 

 

こうなってしまうのですから、

「自力で直すよう」言わないで、

子どもの答え :

 {\Large\frac{8}{9}}+1 {\Large\frac{7}{9}}=4 {\Large\frac{15}{9}}=5 {\Large\frac{6}{9}}=6 {\Large\frac{2}{3}}  の

最後の約分の部分を示して、

約分は正しくできていることと、

整数部分 6 を変えないで、

5 のままにすることを

教えたくなります。

 

でも、

こうしてしまうと、

子どもが自力でできないことを

教えていますから、

子どもの主体性は働きません。

 

反応性のままに、

こちらに教えられたことを

教えられたようにするだけです。

 

これでは、

ミスを、自力で正す子に育ちません。

 

 

子どもが自力でできる正し方は、

間違えた答えを

消さないで、残したまま

初めから、計算し直して、

2度目の計算の答えを

消さずに残した 1度目の計算の答えと

見比べながら

計算していくやり方です。

 

これでしたら、

子どもは自力でできるだけでなく、

同じような正し方を

繰り返すことで、

この方法に上達していきます。

 

(基本  {\normalsize {α}} -1197)、(分数  {\normalsize {α}} -485)