ミスした計算の
子どもが自力でできる正し方は、
限られています。
普通、
ミスを探し出すことや、
そこだけを消して
書き直すことを、
子どもに指示します。
子どもが、
自力でできると仮定するからです。
ですが、
ミスを探し出すことは、
こちらが思っている以上に
子どもには大きな負担で、
自力でできそうで
じつは
自力ではできないことです。
例えば、
どこかにミスある子どもの解答 :
3+1=4=5=6 から、
子どもが自力で、
最後の約分 5=6 で、
整数部分 5 を、
6 としたミスを探し出すことです。
2つの分母が、
9 と同じ帯分数のたし算 3+1= に、
まだ不慣れな状態で、
それでも何とか足して出した
答えの帯分数 4 の
分数部分 を、
仮分数から帯分数に変えて、
帯分数 5 にした上に、
さらに、
分数部分 を、3 で約分して、
にする計算です。
帯仮分数 4 の
仮分数部分 を、
帯分数 1 にして、
帯仮分数 4 を、
4=4+=4+1=5 のように
書き換えるだけで、
子どもの頭は、かなり疲れています。
それでも、
帯分数 5 の
分数部分 が、
3 で約分できることに気付いて、
3 で約分して、
= としたら、
もう、何かを考える余裕などなくて、
この直前の計算で、
帯仮分数 4 を、
帯分数 5 に書き換えたように、
5 の整数部分 5 を、
6 にしてしまい、
5=6 としてしまいます。
このようにして、
やっとの思いで、
どうにか計算したのですから、
自分がどのような計算をしているのか
正確に捉えていません。
それだけに、
子ども自身正しくできたと、
思っていませんから、
「☓(バツ)」が付いても、
「やはりな」、
「間違っていると思っていたのだ」と
受け入れています。
自分の答え :
3+1=4=5=6 の中の
間違えた所を探し出せると
子どもは思っていません。
だから、
「自力で直すよう」言われたら、
自分の答え :
3+1=4=5=6 を
すべて消してしまって、
もう一度、
計算問題 3+1= を、
初めから計算します。
「嫌だなぁ」、
「分からないのだから、
教えてくれればいいのに・・・」と思いながら、
ダラダラと計算し直します。
正しく解ける状態ではありません。
こうなってしまうのですから、
「自力で直すよう」言わないで、
子どもの答え :
3+1=4=5=6 の
最後の約分の部分を示して、
約分は正しくできていることと、
整数部分 6 を変えないで、
5 のままにすることを
教えたくなります。
でも、
こうしてしまうと、
子どもが自力でできないことを
教えていますから、
子どもの主体性は働きません。
反応性のままに、
こちらに教えられたことを
教えられたようにするだけです。
これでは、
ミスを、自力で正す子に育ちません。
子どもが自力でできる正し方は、
間違えた答えを
消さないで、残したまま
初めから、計算し直して、
2度目の計算の答えを
消さずに残した 1度目の計算の答えと
見比べながら
計算していくやり方です。
これでしたら、
子どもは自力でできるだけでなく、
同じような正し方を
繰り返すことで、
この方法に上達していきます。
(基本 -1197)、(分数 -485)