小数の筆算のかけ算の答えの出し方を、こちらが子どもに教えようとするとき、子どもは、真剣になってこちらの様子を窺います。こちらを見る子どもの視線を無視して、問題だけを見て、答えの出し方だけを実況中継型リードで見せます。子どもは、問題だけを見ることと、答えの出し方だけを盗もうとします。

子どもは必ず、

導く役のこちらを

真剣になって観察しています。

 

だからこそ、

こちらは問題だけを見る見本になり、

答えを出すことにだけ集中する見本になります。

 

真剣になってこちらを観察していますから、

自然に、子どももまねします。

 

そして、

こちらを観察することを自らやめて、

こちらがしているように、

問題だけを見て、

答えを出すことだけを、

こちらが見せる実況中継型リードから、

つかもうとします。

 

 

このようなことを

こちらは理解した上で、

小数の筆算のかけ算   {\normalsize {  \begin{array}{rr}  0.38 \\ \:\:\:\:\:\:\:\times  \: 0.54 \\ \hline \end{array}  }}\\  の

答えの出し方だけを、

次のような実況中継型リードで見せます。

 

まず、こちらのペン先で、

 {\normalsize {  \begin{array}{rr}  0.38 \\ \:\:\:\:\:\:\:\times  \: 0.54 \\ \hline \end{array}  }}\\  の

0.38 の一部分の 0. と、

0.54 の一部分の 0. を、隠して、

 {\normalsize {  \begin{array}{rr}  38 \\ \:\:\:\times  \: 54 \\ \hline \end{array}  }}\\  が見えるようにします。

 

そして、

 {\normalsize {  \begin{array}{rr}  0.38 \\ \:\times  \: 0.54 \\ \hline   152 \\   190\:\:\:\,\\\hline \:2052\end{array}  }}\\  と計算するのを待ってから、

0.38 の小数点を、ペン先で示して、

「これ、動かす」と言って、

右の方に、0.38 の 8 の右下まで、

「いち(1)、に(2)」とペン先を動かし、

0.54 の小数点を、ペン先で示して、

「これ、動かす」と言って、

右の方に、0.54 の 4 の右下まで、

「さん(3)、し(4)」とペン先を動かし、

それから、

答え 2052 の一の位の 2 の右下を、

ペン先で示して、

「ここ、点( .)」と言って、

左の方に、

「いち(1)、に(2)、さん(3)、し(4)」と

言いながら、ペン先を動かすと、

2052 の千の位の 2 の左下ですから、

「ここ、点( .)」、

2052 の千の位の 2 の左の余白を示して、

「ゼロ(0)」と言います。

 

子どもが、

 {\normalsize {  \begin{array}{rr}  0.38 \\ \:\:\:\:\:\times  \: 0.54 \\ \hline   152 \\   190\:\:\:\\\hline 0.2052\end{array}  }}\\  と書くのを見たら、

実況中継型リードを終えます。

 

 

このようなリードをするだけで、

こちらの様子を窺うことを

子どもは自らやめて、

こちらの実況中継型リードを見ることで、

自力で答えを出すことを

真剣になって盗もうとします。

 

(基本  {\normalsize {α}} -1279)、(分数  {\normalsize {α}} -509)

 

関連:2023年05月09日の私のブログ記事

「小数の筆算のかけ算を、

小数点を無視して、

小数点など付いていないように計算します。

それから、小数点の付け方を教えます」。