筆算のひき算で、繰り下がりの有無は、式を見れば分かります。ですが子どもは、意識して式を見ていません。

{ \normalsize { \begin{array}{rr}\:\:\:\: 76 \\ - 25 \\ \hline \end{array} }} \\  の一の位は、

上の 6 から、下の 5 を引くことができます。

 

計算する前に、

このように見ることができれば、

{ \normalsize { \begin{array}{rr}\:\:\:\: 76 \\ - 25 \\ \hline \end{array} }} \\  の一の位を、

6-5=1  と引いて、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} \:\:\:\:76 \\ -\: 25\\ \hline \:\:\:\:1\end{array} }} \\  と書くことができます。

 

もちろん無意識で行っていることですが、

計算する前に、

{ \normalsize { \begin{array}{rr}\:\:\:\: 76 \\ - 25 \\ \hline \end{array} }} \\  の式の形を見て、

一の位の上が 6 で、下が 5 だから、

上から下を引くと決めて、

そして、そうしています。

 

 

{ \normalsize { \begin{array}{rr}\:\:\:\: 76 \\ - 28 \\ \hline \end{array} }} \\  も同じように、

計算する前に、

式の形を見ることができれば、

一の位は、繰り下がりの計算と分かります。

 

{ \normalsize { \begin{array}{rr}\:\:\:\: 76 \\ - 28 \\ \hline \end{array} }} \\  の式の形を見れば、

一の位の上が 6 で、下が 8 だから、

このままでは、

上から下を引くことができないと分かります。

 

だから、

{ \normalsize { \begin{array}{rr}\:\:\:\: 76 \\ - 28 \\ \hline \end{array} }} \\  の一の位のひき算は、

上の6 に、1 を付けて、16 にして、

16-8=8  と

引けるようにしてから引くと決めて、

繰り下がり計算をします。

 

 

でも、

計算する前に、

上の数と、下の数を

見るだけのことができなければ、

計算のパターンを、

強引に当てはめてしまいます。

 

ひき算ですから、

引ける方から引いてしまう計算になります。

 

例えば、

{ \normalsize { \begin{array}{rr}\:\:\:\: 76 \\ - 25 \\ \hline \end{array} }} \\  の一の位を、

引ける方から引くと、

6-5=1  ですから、

上から下を引きます。

これは、正しい計算です。

 

あるいは、

{ \normalsize { \begin{array}{rr}\:\:\:\: 76 \\ - 28 \\ \hline \end{array} }} \\  の一の位を、

引ける方から引くと、

8-6=2  ですから、

下から上を引きます。

間違えた計算ですが、

計算そのものは、正しくできています。

 

 

さて、

{ \normalsize { \begin{array}{rr}\:\:\:\: 76 \\ - 28 \\ \hline \end{array} }} \\  の一の位を、

下から、上を、

8-6=2  と引いて、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} \:\:\:\:76 \\ -\: 28\\ \hline \:\:\:\:2\end{array} }} \\  と書く子です。

 

この子がこうするのは、

計算の仕方を当てはめているだけで

式の形を見ていないからです。

 

だから、

引ける方から引いています。

 

ひき算を計算できるのは、

{ \normalsize { \begin{array}{rr}\:\:\:\: 76 \\ - 28 \\ \hline \end{array} }} \\  の一の位でしたら、

下から上を引くことです。

 

下から上を引けば、

8-6=  ですから、

引くことができます。

 

このように、

計算の仕方を当てはめているだけです。

 

 

でもこの子に、

「式の形を見なさい」、

「上と、下と、どちらが大きい?」、

「上から下を引くのでしょう」のように、

言葉でリードしても、

言われた子にしたら、

式の形など見ていないのですから

理解できないのです。

 

「式の形って何?」、

「上と下を見て、大きさを比べること?」、

「上から下を引くの?」のような感じなのです。

 

(基本  {\normalsize {α}} -1282)、(+-  {\normalsize {α}} -697)