筆算のかけ算を初めて習ったとき、
かなり多くの子は、
繰り上がりのたし算で計算が止まります。
例えば、
の繰り上がりのたし算
6+2= のように簡単なたし算でも、
計算が止まってしまいます。
さて、
筆算のかけ算を習う目的は、
自力で答えを出せるようになることです。
の答えの出し方は、
3×9=27 と掛けて、
と、7 を書いて、
2 を覚えて、
3×2=6 と掛けて、
覚えている 2 を、6+2=8 と足して、
と書くことと、
教えたとします。
でも、
このような教え方の内容は、
計算の流れを説明しただけです。
自力で答えを出すときに、
子ども自身が何をすべきなのかを
まったく教えていないのです。
子どもが、自分自身をリードして、
の 3 と 9 を見て、
3×9=27 と掛けることができれば、
筆算のかけ算の答えの出し方の最初の部分を、
自力で答えを出したことになります。
でも、
子どもが、自分自身をリードするリード自体、
こちらは、何も教えていないので、
子どもは自分で解決しなければならないのです。
の 3 と 9 を見て、
3×9=27 と掛けると習って、
子どもが、自分自身をリードして、
同じようなことをするには、
どのようにリードすればいいのかを、
子どもは自分で解決することになります。
このように考えると、
こちらが子どもに教えることは、
子どもがまねしやすい答えの出し方にすることと、
まねしやすい教え方をすることと、
同じような筆算のかけ算を繰り返し教えることで、
子ども自身の能力が向上することを
感じ易い教え方をすることです。
その具体的な例が、
このブログで繰り返している
実況中継型リードを見せる教え方です。
の 3 と 9 を示して、
「さんくにじゅうしち(3×9=27)」と掛けて、
3 の真下を示して、
「ここ、しち(7)」、
「指、に(2)」と言います。
子どもが、
と書いて、
指を 2本伸ばしたら、
こちらは、実況中継型リードを続けます。
の 3 と 2 を示して、
「さんにがろく(3×2=6)」と言って、
子どもが伸ばしている指 2本を触って、
「に(2)を足して、はち(8)」と言って、
2 の真下を示して、
「ここ、はち(8)」と言います。
子どもが、
と書いたら、
実況中継型リードを終えます。
このような実況中継型リードを見せる教え方は、
① まねしやすい答えの出し方です。
すぐに、まねできるので、
子どもは、すぐ、
と書いて、
さらに、
と書くことができます。
② まねしやすい教え方です。
計算そのものを、
言葉で説明してしまうと、
こちらが説明している部分は、
子どもがまねできない部分になります。
まねすることが難しくなります。
だから、
答えの出し方を見せるだけにしています。
これだけではなくて、
③ 筆算のかけ算を繰り返し教えることで、
子ども自身の能力が向上することを
感じ易い教え方になっています。
1回見るよりも、
5回見た後の方が、
答えの出し方が分かるようになります。
繰り返し見ることで、
子ども自身の見る能力が向上したからです。
(基本 -1350)、(×÷ -238)
関連:2023年07月08日の私のブログ記事
「繰り上がりのある筆算のかけ算の計算に慣れて、
楽にスラスラと答えを出せるようになるのは、
ある一定の問題数を練習することで、
閾値型の変化を起こすからです」。