実況中継型リードを見せる教え方は、① まねしやすい答えの出し方で、② まねしやすい教え方で、③ 筆算のかけ算を繰り返し教えることで、子ども自身の能力が向上することを感じ易い教え方になっています。

筆算のかけ算を初めて習ったとき、

かなり多くの子は、

繰り上がりのたし算で計算が止まります。

 

例えば、

{\normalsize{\begin{array}{rr} 29 \\\:\times\:\:\: 3 \\ \hline \end{array}}}\\  の繰り上がりのたし算

6+2=  のように簡単なたし算でも、

計算が止まってしまいます。

 

 

さて、

筆算のかけ算を習う目的は、

自力で答えを出せるようになることです。

 

{\normalsize{\begin{array}{rr} 29 \\\:\times\:\:\: 3 \\ \hline \end{array}}}\\  の答えの出し方は、

3×9=27  と掛けて、

{\normalsize{\begin{array}{rr} 29 \\\:\times\:\:\: 3 \\ \hline \:\:\:7\end{array}}}\\  と、7 を書いて、

2 を覚えて、

3×2=6  と掛けて、

覚えている 2 を、6+2=8  と足して、

{\normalsize{\begin{array}{rr}29\\\:\times\:\:\:\: 3 \\ \hline \:\:\:87\end{array}}}\\  と書くことと、

教えたとします。

 

でも、

このような教え方の内容は、

計算の流れを説明しただけです。

 

自力で答えを出すときに、

子ども自身が何をすべきなのかを

まったく教えていないのです。

 

 

子どもが、自分自身をリードして、

{\normalsize{\begin{array}{rr} 29 \\\:\times\:\:\: 3 \\ \hline \end{array}}}\\  の 3 と 9 を見て、

3×9=27  と掛けることができれば、

筆算のかけ算の答えの出し方の最初の部分を、

自力で答えを出したことになります。

 

でも、

子どもが、自分自身をリードするリード自体、

こちらは、何も教えていないので、

子どもは自分で解決しなければならないのです。

 

{\normalsize{\begin{array}{rr} 29 \\\:\times\:\:\: 3 \\ \hline \end{array}}}\\  の 3 と 9 を見て、

3×9=27  と掛けると習って、

子どもが、自分自身をリードして、

同じようなことをするには、

どのようにリードすればいいのかを、

子どもは自分で解決することになります。

 

 

このように考えると、

こちらが子どもに教えることは、

子どもがまねしやすい答えの出し方にすることと、

まねしやすい教え方をすることと、

同じような筆算のかけ算を繰り返し教えることで、

子ども自身の能力が向上することを

感じ易い教え方をすることです。

 

その具体的な例が、

このブログで繰り返している

実況中継型リードを見せる教え方です。

 

{\normalsize{\begin{array}{rr} 29 \\\:\times\:\:\: 3 \\ \hline \end{array}}}\\  の 3 と 9 を示して、

「さんくにじゅうしち(3×9=27)」と掛けて、

3 の真下を示して、

「ここ、しち(7)」、

「指、に(2)」と言います。

 

子どもが、

{\normalsize{\begin{array}{rr} 29 \\\:\times\:\:\: 3 \\ \hline \:\:\:7\end{array}}}\\  と書いて、

指を 2本伸ばしたら、

こちらは、実況中継型リードを続けます。

 

{\normalsize{\begin{array}{rr} 29 \\\:\times\:\:\: 3 \\ \hline \:\:\:7\end{array}}}\\  の 3 と 2 を示して、

「さんにがろく(3×2=6)」と言って、

子どもが伸ばしている指 2本を触って、

「に(2)を足して、はち(8)」と言って、

2 の真下を示して、

「ここ、はち(8)」と言います。

 

子どもが、

{\normalsize{\begin{array}{rr}29\\\:\times\:\:\:\: 3 \\ \hline \:\:\:87\end{array}}}\\  と書いたら、

実況中継型リードを終えます。

 

 

このような実況中継型リードを見せる教え方は、

① まねしやすい答えの出し方です。

 

すぐに、まねできるので、

子どもは、すぐ、

{\normalsize{\begin{array}{rr} 29 \\\:\times\:\:\: 3 \\ \hline \:\:\:7\end{array}}}\\  と書いて、

さらに、

{\normalsize{\begin{array}{rr}29\\\:\times\:\:\:\: 3 \\ \hline \:\:\:87\end{array}}}\\   と書くことができます。

 

 

② まねしやすい教え方です。

 

計算そのものを、

言葉で説明してしまうと、

こちらが説明している部分は、

子どもがまねできない部分になります。

 

まねすることが難しくなります。

 

だから、

答えの出し方を見せるだけにしています。

 

 

これだけではなくて、

③ 筆算のかけ算を繰り返し教えることで、

子ども自身の能力が向上することを

感じ易い教え方になっています。

 

1回見るよりも、

5回見た後の方が、

答えの出し方が分かるようになります。

 

繰り返し見ることで、

子ども自身の見る能力が向上したからです。

 

(基本  {\normalsize {α}} -1350)、(×÷  {\normalsize {α}} -238)

 

関連:2023年07月08日の私のブログ記事

「繰り上がりのある筆算のかけ算の計算に慣れて、

楽にスラスラと答えを出せるようになるのは、

ある一定の問題数を練習することで、

閾値型の変化を起こすからです」。