算数や数学の計算問題の答えを出すとき、一時的に覚えておくことが、思っているよりも多くあります。この一時的な記憶をワーキングメモリーと呼び、時間を掛けて、少しずつ容量を増やしていくことで、一時的に覚える量を増やすことができます。

算数や数学の計算問題の答えを出すとき、

ワーキングメモリーと呼ばれる

一時的な記憶を利用します。

 

例えば、

四則混合の計算順を決めるとき

計算順を決めるルールを

ワーキングメモリーに一時的に記憶して、

個々の四則混合の計算順を決めます。

 

計算順を決めるルールは、

とてもシンプルな 3つです。

 

① かっこの中。

② かけ算とわり算。

③ たし算とひき算。

この 3つです。

 

 

計算順を決めたら計算しますが、

最後の計算を始めるまで、

ワーキングメモリーに一時的に

自分が決めた計算順を覚えておきます。

 

例えば、

4-1÷3=  の計算順を

① 左の - 、

② 右の÷ と、

正しく決めることができる子です。

 

この子の一時的な記憶が弱い

つまり、

ワーキングメモリーの容量が

とても小さければ、

自分が決めた計算順を

覚えることができません。

 

 

実際に計算するとき、

自分が決めた計算順を思い出せないために

4-1÷3=  の左の計算の - を先に、

余白に、4-1=3  と計算して、

それから、

右の ÷ を、

余白に書いてある答え 3 を利用して、

3÷3=1  と計算することがあります。

 

計算順を正しく決めることができるのに、

ワーキングメモリーの容量が小さいと

正しい計算順に計算できなくなります。

 

 

しかし、

ワーキングメモリーの容量は、

「計算順を決めたら、

答えを出すまで、

決めた計算順を覚えておきます」、

「覚えようと努力して覚えれば、

覚えることができるでしょう」などと、

言葉で説明しても

広がるものではありません。

 

筆算のたし算   {\normalsize { \begin{array}{rr} 45 \\ +\: 18 \\ \hline \end{array} }} \\  の

繰り上がり数 1 を

一時的に覚えるような簡単なことから、

さまざまな計算を体験することで、

一時的に覚える量が、少しずつ増えて、

一時的な記憶のワーキングメモリーの容量を

自然に増やしていきます。

 

このようにして、

分数の四則混合の計算まで進むとき

子どものワーキングメモリー

相当に大きな容量に育っています。

 

(基本  {\normalsize {α}} -1504)、(+-  {\normalsize {α}} -829)

(分数  {\normalsize {α}} -594)

 

関連:2023年12月09日の私のブログ記事

「四則混合の計算順のルールを、

① かっこの中、② かけ算とわり算、

③ たし算とひき算にするのは、

同じ答えにするためです」。