2けたの筆算のたし算を、「楽にスラスラとできる」とは、曖昧な表現ですが、実際に指導する体験からの基準です。言葉にすることが難しい「あるハッキリとした状態」があります。

27 に、16 を足すたし算を、

筆算   {\normalsize { \begin{array}{rr} 27 \\ +\: 16 \\ \hline \end{array} }} \\  の形と、

暗算  27+16=  の形の

2通りの方法で

それぞれを別の時期に教えます。

 

筆算   {\normalsize { \begin{array}{rr} 27 \\ +\: 16 \\ \hline \end{array} }} \\  の形の方が、

暗算  27+16=  の形よりも

楽に計算できます。

 

 

だから、

筆算   {\normalsize { \begin{array}{rr} 27 \\ +\: 16 \\ \hline \end{array} }} \\  の形を

楽にスラスラと計算できるようになった後、

暗算  27+16=  の形の

答えの出し方を教えます。

 

「楽にスラスラと計算できる」と書いても、

じつのところ、子どもの力を

何一つ説明していません。

 

体験知に裏付けられた基準なのです。

 

より正確に書くならば、

「20問を、3~5分のスピードで、

筆算   {\normalsize { \begin{array}{rr} 27 \\ +\: 16 \\ \hline \end{array} }} \\  の答えを

自力で次々に出せるようになれば・・・」と、

やはり曖昧な表現になります。

 

「20問を、3~5分のスピード」と書かれても、

どのような感じなのか

伝わらないでしょう。

 

言葉にすることが難しい

体験知のアナログデータなのです。

 

 

体験知に裏付けられた基準なのですが、

いい加減な基準ではなくて、

「楽にスラスラと計算できる」であって、

「20問を、3~5分のスピード」なのです。

 

ある明確なイメージがあって、

そのイメージのように

筆算   {\normalsize { \begin{array}{rr} 27 \\ +\: 16 \\ \hline \end{array} }} \\  の答えを出しています。

 

そして、

子どもの個人差の幅があります。

 

 

ですから、

その子が、筆算   {\normalsize { \begin{array}{rr} 27 \\ +\: 16 \\ \hline \end{array} }} \\  の答えを

楽にスラスラと計算できる状態は、

事前に予知できるものではなくて、

繰り返し練習している子から、

「楽にスラスラの状態になったらしい」と、

感じるような評価なのです。

 

こうなってから、

暗算  27+16=  の形の答えの出し方に進み、

数問で、

答えの出し方をつかめれば、

筆算   {\normalsize { \begin{array}{rr} 27 \\ +\: 16 \\ \hline \end{array} }} \\  の答えを

楽にスラスラと計算できる状態の評価が、

ほぼ正しかったと言えます。

 

(基本  {\normalsize {α}} -1507)、(+-  {\normalsize {α}} -832)

 

関連:2023年12月12日の私のブログ記事

「27+16=  を、このまま暗算形式で計算すると、

筆算に比べて、計算スピードが、

かなり遅くなります」。