筆算のかけ算の計算の仕方を子どもがつかむ手伝いです。

 {\large{ \begin{array}{rr} 34 \\ \times \:\:\:\:\:\: 2 \\ \hline \end{array} }}\\ の筆算のかけ算を、

リードして計算します。

 

既に持っている計算の力を工夫して、

自力で計算できるようなリードで計算します。

 

九九の1つの段を6秒で言うことができます。

 

この速さになると、

九九を見たら、

その答えが頭に浮かびます。

 

既にこのような力を持っています。

 

筆算のかけ算の中の九九は、

子どもが知っている九九と

式の形が違います。

 

式の形の違う九九に、

子どもが集中できるようにリードします。

 

 {\large{ \begin{array}{rr} 34 \\ \times \:\:\:\:\:\: 2 \\ \hline \end{array} }}\\ の2と4を下から上に

順に示しながら、

「にしが(2×4)?」と聞きます。

いきなり聞きます。

 

「下から上に掛ける」、

「下のこの2と、上のこの4を掛けると?」、

「にしが(2×4)?」のように、

言葉で説明しません。

 

言葉で説明すると、

子どもは説明を理解しようとします。

 

説明された「下から上に掛ける」を、

理解しようとします。

 

すると、九九の計算から

気持ちが離れてしまいます。

 

2と4を順に示して、

「にしが?」とリードすることで、

九九に集中させます。

 

九九だけでしたら、

2の段を6秒で言えますから、

九九を見たら頭に答が浮かびます。

 

「にしがはち(2×4=8)」の九九を

知っています。

 

ですから、

「にしが(2×4)?」と聞かれたら、

答え「はち(8)」を出せます。

 

でも、

答え「はち(8)」を出せない子どもが多いのです。

 

子どもが知っている九九は、

横に並んだ九九 2×4 です。

 

横に並んだ 2×4 を見たら、

見ただけで頭に答え8が浮かびます。

 

子どもが見ている2と4は、

 {\large{ \begin{array}{rr} \:\:4 \\ \times \:\:\:\:\:\: 2 \\ \hline \end{array} }}\\ 縦に並んでいます。

 

この2と4を下から上に順に見て、

「にしが?」と聞かれています。

 

九九を覚えるときは、

2と4が、左から右に横並びです。

2×4 です。

 

「にしが?」と、

九九を聞かれていますが、

2と4が、下から上に縦に並んでいます。

 

横並びの 2×4 と違いすぎます。

すぐに、九九を使えません。

 

 {\large{ \begin{array}{rr} \:\:4 \\ \times \:\:\:\:\:\: 2 \\ \hline \end{array} }}\\ 縦に並んだ2と4が、

横に並んだ九九 2×4 と

結び付くのを待ちます。

 

「どうしたの?」、

「九九だよ!」、

「にしが(2×4)?だよ」、

「できるでしょ!」と、

子どもを焦らせません。

 

子どもを混乱させます。

結び付けることを邪魔しています。

 

2の段の九九を、

横並びの 2×4 を見ながら、

「にしがはち」の音で覚えています。

 

2と4が、縦に  {\large{ \begin{array}{rr} \:\:4 \\ \times \:\:\:\:\:\: 2 \\ \hline \end{array} }}\\ と並んでいますが、

九九を覚えたときの音、

「にしが?」と聞かれています。

 

この「にしが?」の音が、

見た目の違いを乗り越えさせます。

 

時間にして、1~2秒です。

長く感じますが、1~2秒です。

 

静かにジッと待つと、

子どもは、「はち(8)」と答えてくれます。

 

そうしたら、

 {\large{ \begin{array}{rr} 34 \\ \times \:\:\:\:\:\: 2 \\ \hline \end{array} }}\\ の2の真下を示して、

「ここ、はち(8)」とリードします。

 

子どもは、8を書きます。

 

「にしが?」と聞かれて、

自分が出した答え8です。

すぐに書きます。

 

 {\large{ \begin{array}{rr} 34 \\ \times \:\:\:\:\:\: 2 \\ \hline \:\:\:\:\:\:8\end{array} }}\\ と、8を書きます。

 

続いて、

 {\large{ \begin{array}{rr} 34 \\ \times \:\:\:\:\:\: 2 \\ \hline \:\:\:\:\:\:8\end{array} }}\\ の2と3を、

下から斜め上に示しながら、

「にさんが?」と聞きます。

 

斜めに縦に並んでいます。

 

しかも、2×4 で使った2を、

2×3 でも使います。

2を、4にも、3にも掛けます。

戸惑います。

 

ここでも、

「にさんが?」の音を頼りにして、

「ろく(6)」と答えてくれます。

 

3の真下の答え6を書くところを示して、

「ここ、ろく(6)」とリードします。

 

子どもは、すぐに答え6を書きます。

 {\large{ \begin{array}{rr} 34 \\ \times \:\:\:\:\:\: 2 \\ \hline \:\:\:\:\:68\end{array} }}\\ と、計算できます。

 

同じように子どもを参加させながら、

数問、一緒に計算します。

 

子どもが計算の仕方をつかむまで、

一緒に計算します。

 

参照:

蔵一二三、「計算の教えない教え方 かけ算わり算」(2018)。

アマゾン。

計算の教えない教え方 かけ算わり算―たかが計算 されど算数の根っこ そして人育て