26×4 のようなかけ算の筆算の計算は、半ば習慣のように計算できるようになるまで、とてもギクシャクとします。そういうところです。スラスラと計算している見本を見せることで、ギクシャクとした計算から抜け出る手助けをします。

 {\normalsize {  \begin{array}{rr}  26 \\ \:\times  \:\:\: 4 \\ \hline \end{array}  }}\\ のような筆算のかけ算を、

半ば習慣のように計算できるようになります。

 

こうなった子どもを見て、

こちらは、

「突き抜けた」と感じます。

 

計算し続けることで、

この子が、

自ら修得する状態です。

 

「突き抜けた」状態へ、

言葉で説明して、

リードすることはできません。

 

子どもが、

繰り返し  {\normalsize {  \begin{array}{rr}  26 \\ \:\times  \:\:\: 4 \\ \hline \end{array}  }}\\ のようなかけ算を

計算し続けた結果、

「突き抜けた」状態になります。

 

 

さて、

計算自体は、

4×6=24 の九九と、

4×2=8 の九九と、

8+2=10 のたし算です。

 

4 の段の九九でしたら、

一息で、

6 秒で言うことができます。

 

九九の音が取れていて、

 {\normalsize {  \begin{array}{rr}  26 \\ \:\times  \:\:\: 4 \\ \hline \end{array}  }}\\ の 4 と 6 を

下から上に見れば、

瞬時に、

九九の音:「しろくにじゅうし」を使わなくて、

九九の答え 24 を出せる子です。

 

また、

8+2= のような

暗算のたし算の指が取れている子ですから、

「はち足すには?」と聞かれても、

瞬時に、

答え 10 が出ます。

 

九九だけの計算であれば、

あるいは、

暗算のたし算だけの計算であれば、

どちらも半ば習慣になっていますから、

瞬時に答えを出せます。

 

これだけの計算力を持っていても、

 {\normalsize {  \begin{array}{rr}  26 \\ \:\times  \:\:\: 4 \\ \hline \end{array}  }}\\ の計算になると、

4×6=24 の九九と、

4×2=8 の九九と、

8+2=10 のたし算のいずれも、

ギクシャクとして、

モタモタとしてしまいます。

 

「どうして?」ではなくて、

ほとんどの子が、

こうなってしまう計算なのです。

 

ですから、

 {\normalsize {  \begin{array}{rr}  26 \\ \:\times  \:\:\: 4 \\ \hline \end{array}  }}\\ や、

 {\normalsize {  \begin{array}{rr}  57 \\ \:\times  \:\:\: 3 \\ \hline \end{array}  }}\\ や、

 {\normalsize {  \begin{array}{rr}  34 \\ \:\times  \:\:\: 8 \\ \hline \end{array}  }}\\ のかけ算を、

50 問、計算しようとすれば、

途中で集中が、

何回も切れてしまい、

この子の高い計算力があれば、

10 分もしないうちに、

終わるはずなのに、

20 分や、30 分かかってしまいます。

 

「時間がかかっても、

終わるからいいか」と、

受け入れてしまうと、

ダラダラと計算する習慣を育ててしまいます。

 

 

集中が切れていたら、

子どもに、

何も入れることなく、

ただ出すことだけをリードして、

「突き抜けた」状態の計算を、

繰り返し見せるようにします。

 

止まっている計算  {\normalsize {  \begin{array}{rr}  57 \\ \:\times  \:\:\: 3 \\ \hline \end{array}  }}\\

3 と 7 を無言で示して、

「にじゅういち(21)」、

3 の真下を示して、

「いち(1)」です。

 

集中が切れて、

計算から逃げている子ですが、

何かを教えてもらいたのではありません。

 

子どもは、

集中を切らすことなく、

計算できるものならば、

計算したのです。

 

だから、

こちらがいきなり、

3 と 7 を無言で示して、

「にじゅういち(21)」と言うことや、

3 の真下を示して、

「いち(1)」と言うことを、

素直に受け入れてしまいます。

 

そして、

 {\normalsize {  \begin{array}{rr}  57 \\ \:\times  \:\:\: 3 \\ \hline \:\:\:1\end{array}  }}\\ と書きます。

 

こちらの

「突き抜けた」状態の計算を続けます。

 

 {\normalsize {  \begin{array}{rr}  57 \\ \:\times  \:\:\: 3 \\ \hline \:\:\:1\end{array}  }}\\ の 3 と 5 を示して、

「じゅうご(15)」、

「に増えて、じゅうしち(17)」、

5の真下を示して、

「ここ」です。

 

子どもは、

 {\normalsize {  \begin{array}{rr}  57 \\ \times  \:\:\: 3 \\ \hline 171\end{array}  }}\\ と書きます。

 

 

さて、

子どもに見せているのは、

「突き抜けた」状態の計算です。

 

こちらのリードと、

子どもが、

答えを書く時間を入れても、

 {\normalsize {  \begin{array}{rr}  57 \\ \:\times  \:\:\: 3 \\ \hline \end{array}  }}\\ を、

 {\normalsize {  \begin{array}{rr}  57 \\ \times  \:\:\: 3 \\ \hline 171\end{array}  }}\\ と計算するまで、

20秒もかかりません。

 

同じようなリードで、

同じようなスピードで、

2~3 問、

「突き抜けた」状態の計算を

子どもに見せます。

 

 

このようなリードを、

何回か続けると、

子どもの心に、

「突き抜けた」状態の計算が、

イメージとして残るようになります。

 

こうなると、

この子は、

自分のかけ算の計算のゴールを、

こちらが見せている

「突き抜けた」状態の計算と、

意識するようになります。

 

そして、

じきに、

この子のかけ算の計算が、

「突き抜けた」状態の計算に変わります。

 

(基本  {\normalsize {α}} -461)、(×÷  {\normalsize {α}} -097)