帯分数の扱い方が、たし算と、ひき算と、かけ算で、少しずつ違います。子どもを戸惑わせて、混乱させます。計算だけを手伝うのがコツです。

 {\Large\frac{1}{2}}+2 {\Large\frac{5}{6}}= は、

帯分数のたし算です。

 

計算します。

 

通分して、1 {\Large\frac{3}{6}}+2 {\Large\frac{5}{6}} です。

 

足して、3 {\Large\frac{8}{6}} です。

 

帯仮分数を帯分数に直して、4 {\Large\frac{2}{6}} です。

 

約分して、4 {\Large\frac{1}{3}} です。

これが答えです。

 

 {\Large\frac{1}{2}}+2 {\Large\frac{5}{6}}=1 {\Large\frac{3}{6}}+2 {\Large\frac{5}{6}}=3 {\Large\frac{8}{6}}=4 {\Large\frac{2}{6}}=4 {\Large\frac{1}{3}} です。

 

ひき算に進みます。

 

 {\Large\frac{1}{6}}-2 {\Large\frac{2}{3}}= は、

帯分数のひき算です。

 

計算します。

 

通分して、4 {\Large\frac{1}{6}}-2 {\Large\frac{4}{6}} です。

 

左の分子 1 から、右の分子 4 を引けません。

 

左の整数部分 4 から、1 を借りて、

左の帯分数 4 {\Large\frac{1}{6}} を、3 {\Large\frac{7}{6}} に変えます。

 

こうすると、

 {\Large\frac{7}{6}}-2 {\Large\frac{4}{6}} に変わります。

引けるようになります。

 

引いて、1 {\Large\frac{3}{6}} です。

 

約分して、1 {\Large\frac{1}{2}} です。

これが答えです。

 

 {\Large\frac{1}{6}}-2 {\Large\frac{2}{3}}=4 {\Large\frac{1}{6}}-2 {\Large\frac{4}{6}}=3 {\Large\frac{7}{6}}-2 {\Large\frac{4}{6}}=1 {\Large\frac{3}{6}}=1 {\Large\frac{1}{2}} です。

 

帯分数のたし算と、

帯分数のひき算で、

帯分数の扱い方が少し違います。

 

ほとんどの部分は同じです。

少しの部分が、違います。

 

同じように見えていて、

少しだけ違いがあるのです。

とても嫌な違いです。

 

帯分数のたし算にどうにか慣れて、

ひき算に進み、

たし算と少しだけ違う帯分数の扱い方に、

子どもは戸惑います。

 

帯分数のたし算は、

そのまま足します。

 

帯分数のひき算は、

引けるときはそのまま引いて、

引けないときは、

帯分数を操作して引けるようにします。

 

たし算で慣れた帯分数の扱い方を、

ひき算で少し違う扱い方に入れ替えます。

 

戸惑い、混乱して計算が止まったら、

計算だけを手伝います。

 

計算を手伝って、

解き進めていくと、

子どもが乗り越えます。

 

かけ算に進みます。

 

 {\Large\frac{1}{4}}×4 {\Large\frac{3}{5}}= は、

帯分数のかけ算です。

 

計算します。

 

帯分数を仮分数に直して、 {\Large\frac{5}{4}}× {\Large\frac{23}{5}} です。

 

途中で約分して、 \require{cancel}\displaystyle {\frac{\begin{matrix}1\\\cancel{5}\end{matrix}\,}{4}}× \require{cancel}\displaystyle {\frac{23}{\begin{matrix}\cancel{5}\\1\end{matrix}\,}} です。

 

掛けて、 {\Large\frac{23}{4}} です。

 

仮分数を帯分数に直して、5 {\Large\frac{3}{4}} です。

これが答えです。

 

 {\Large\frac{1}{4}}×4 {\Large\frac{3}{5}} {\Large\frac{5}{4}}× {\Large\frac{23}{5}} \require{cancel}\displaystyle {\frac{\begin{matrix}1\\\cancel{5}\end{matrix}\,}{4}}× \require{cancel}\displaystyle {\frac{23}{\begin{matrix}\cancel{5}\\1\end{matrix}\,}} {\Large\frac{23}{4}}=5 {\Large\frac{3}{4}} です。

 

「えっ、また違うの?」となります。

 

かけ算の帯分数の扱い方が、

ひき算と違います。

 

帯分数の扱い方が、

たし算とひき算で違っていて、

戸惑って、混乱して、やっと乗り越えた後、

かけ算で、また違う扱い方になります。

 

でも、

子どもの戸惑いや混乱を手伝いません。

 

「どうしたの?」、

「誰もが混乱して、乗り越えるから」とか

気持ちを手伝おうとしません。

 

算数や数学を学ぶときに、

さまざまに戸惑い混乱するからです。

そういうものです。

 

しかも、

外から助けることができません。

子どもが自力で乗り越える問題です。

 

ですが、

計算は手伝います。

 

 {\Large\frac{4}{11}}×4 {\Large\frac{2}{5}}= の計算で止まっていたら、

帯分数を仮分数に直すリードで手伝います。

 

 {\Large\frac{4}{11}} の 1 と、11 を順に示して、

「1×11=11」と計算をリードしてから、

4 を示して、

「4を足して、15」です。

 

このリードで、

帯分数 1 {\Large\frac{4}{11}} を、

仮分数  {\Large\frac{15}{11}} に直します。

 

子どもの計算を手伝います。

戸惑って、混乱している気持ちを手伝いません。

 

計算をリードして、

 {\Large\frac{4}{11}}×4 {\Large\frac{2}{5}} {\Large\frac{15}{11}}× {\Large\frac{22}{5}} \require{cancel}\displaystyle {\frac{\begin{matrix}3\\\cancel{15}\end{matrix}\,}{\begin{matrix}\cancel{11}\\1\end{matrix}\,}}× \require{cancel}\displaystyle {\frac{\begin{matrix}2\\\cancel{22}\end{matrix}\,}{\begin{matrix}\cancel{5}\\1\end{matrix}\,}} {\Large\frac{6}{1}}=6 と、

計算を終わらせます。

 

「えっ、また違う」と、

かけ算の帯分数の扱いに感じています。

 

たし算の帯分数の扱いの後、

ひき算で、帯分数の少し違う扱い方を知ります。

 

この時の戸惑いや混乱と、

かけ算で感じている戸惑いや混乱は、

かなり違います。

 

ひき算で、

2つ目の帯分数の違う扱い方を知ったら、

「こういうこともあるのか」とどこか冷静です。

 

かけ算で、

3つ目の帯分数の違う扱い方を知ることで、

「えっ、また違うの?」は、

今知ったことへの戸惑いや混乱ではなくて、

「この先、どれだけの違う扱い方が・・・」の

未来に対する戸惑いと混乱です。

 

つまり、

算数や数学の計算を学ぶということが、

戸惑いや混乱を伴うものなのだと、

気付き始めているからです。

 

子どもの戸惑いや混乱を乗り越えるのは、

子ども自身の問題です。

 

こちらができることは、

止まっている計算をリードして解いてしまうことです。

 

(基本  {\normalsize {α}} -127)、(分数  {\normalsize {α}} -036)