例を、「見て、計算して・・・」と指示して、計算させます。それから、「どうやったの?」と聞きます。この順番が絶妙です。子どもの考える力を育てます。

 {\Large\frac{13}{4}}=3 {\Large\frac{1}{4}} の例を見て、

 {\Large\frac{14}{5}}= を計算させます。

 

例を見るだけです。

 

「見る」ことと、

「計算する」ことだけを指示します。

 

「見て、計算して・・・」です。

 

これ以外のことを、

何も教えません。

 

とても不親切な教え方です。

 

ですが、

だから、

子どもは考え始めます。

 

子どもごとに、

文言はさまざまでしょうが、

「どうやっているのだろうか?」のような

疑問文にリードされて、

 {\Large\frac{14}{5}}= を計算するために、

 {\Large\frac{13}{4}}=3 {\Large\frac{1}{4}} の計算の仕方を探ります。

 

つまり、

「どうやっているのだろうか?」にリードされて、

子どもは考えています。

 

でも、

「どのように計算していると思う?」のように、

先に教えていません。

 

ただ、

「見て、計算して・・・」と、

指示しているだけです。

 

分数を計算する子は、

7+8= や、

15-6= や、

4×8= や、

15÷3= のような

たし算・ひき算・かけ算・わり算を計算できます。

 

 {\Large\frac{13}{4}}=3 {\Large\frac{1}{4}} {\Large\frac{13}{4}} を見れば、

少しの試行錯誤の後に、

13÷4= の計算を思い付きます。

 

足すと、13+4=17 です。

引くと、13-4=9 です。

掛けると、13×4=52 です。

 

たし算・ひき算・かけ算からは、

 {\Large\frac{13}{4}}=3 {\Large\frac{1}{4}} の 3 {\Large\frac{1}{4}} に、

関係している数が出ません。

 

残された計算のわり算で、

13÷4=3・・・1 と計算すれば、

 {\Large\frac{1}{4}} の 3 と 1 が出てきます。

 

と、

このようにアレコレと試行錯誤して、

子どもは考えます。

 

実は、

このように考えることをリードするのが、

「どうやっているのだろうか?」の疑問文です。

 

そして、

 {\Large\frac{14}{5}}= を、

14÷5=2・・・4 と計算して、

 {\Large\frac{14}{5}}=2 {\Large\frac{4}{5}} と計算します。

 

こう計算した子に、

「どうやったの?」と聞きます。

 

この子はすでに、

「どうやっているのだろうか?」と、

自分に聞いていますから、

こちらから、

「どうやったの?」と聞かれたら、

14÷5=2・・・4 の計算を

応えることができます。

 

さて、

この順番が、

とても大切です。

 

「見て、計算して・・・」と指示するだけで、

「どのように計算していると思う?」と、

先に聞いていません。

 

だから子どもは、

「どうやっているのだろうか?」の聞き方を、

自分で発明して、

計算の仕方を探っています。

 

子どもが計算した後、

「どうやったの?」と聞くことで、

子どもの発明した疑問文:

「どうやっているのだろうか?」を認めます。

 

このような手間をかけて、

子どもの考える力を育てます。

 

(基本  {\normalsize {α}} -193)、(分数  {\normalsize {α}} -067)