7+4=、8+6=、8+9=、6+4=、
8+7=、・・・・・のようなたし算の
指が取れている子です。
7+4= を見たら、答え 11 が、
8+6= を見たら、答え 14 が、
8+9= を見たら、答え 17 が、
6+4= を見たら、答え 10 が、
8+7= を見たら、答え 15 が、
瞬時に出る子です。
たし算の指が取れていますから、
見たら瞬時に答えが出ます。
この子が、
たし算の答えを出す習慣は、
たし算の感覚です。
感覚のことを、
習慣と言うのは、
違和感があるでしょうが、
習慣とはそういうものですから、
たし算の答えを出す感覚は、
確かに習慣です。
たし算の問題 5+7= を見たら、
正体不明の「たし算の感覚」が働いて、
答え 12 が瞬時に出ます。
こうなっていますから、
「たし算の感覚」が、
この子の答えを出す習慣です。
もちろん、
こうなる前の子でしたら、
5+7= を見ても、
答え 12 を瞬時に出せません。
答えを出すために、
別の習慣に頼っています。
例えば、
5+7= の 5 を見て、
その次の 6 から、
+7 の 7 回、
6、7、8、9、10、11、12 と数えて、
答え 12 を出しています。
見ることや、
次の数を出すことや、
数えることのように、
いくつかの習慣に頼っています。
さて、
指が取れて、
たし算の感覚で答えを出すこの子に、
実は、
もう一つの習慣が働いています。
「たし算の感覚」を使うスピードです。
7+4=、8+6=、8+9=、6+4=、
8+7=、・・・・・のようなたし算 25 問を、
40 秒前後で計算する子がいます。
同じ 25 問を、
20 秒以下で、
計算できる子もいます。
答えの出し方は、同じです。
「たし算の感覚」で、答えを出します。
使うスピードが違うから、
このように、
25 問を計算する時間が違っています。
誤解されそうですから、
補足します。
8+6= を見たら、
瞬時に答えが出るのですから、
答えが出る瞬時は、
25 問を、40 秒前後の子も、
20 秒以下の子も、
ほぼ同じです。
瞬時ですから、
答えが出るスピードに、
時間の差はほぼないのです。
この「たし算の感覚」を、
次々に使うスピードが違うのです。
もちろん、
「たし算の感覚」を使うスピードが、
自然に速くはなりません。
使うスピードは、
習慣になっていて、
習慣は入れ替えられると知っているこちらが、
25 問を、40 秒前後の子をリードして、
育てるから、
使うスピードの習慣が入れ替わり、
25 問が、20 秒以下になります。
2×7= の九九の計算です。
普通の答えの出し方は、
2 の段の九九を覚えて、
2 の段の中の
「にしちじゅうし(2×7=14)」から、
答え 14 を出します。
これから、
2×7= のような九九の
答えを出す習慣は、
覚えている九九です。
たし算と同じように、
覚えている九九も、
もう一つの習慣があります。
それが、
九九を唱えるスピードです。
九九を覚えた子に、
早口で言わせると、
10 秒前後くらいまでは速くなります。
この子に、
ストップウォッチを持たせて、
自分で、秒数を測って、
早口で言うゲームをさせます。
そして、
6 秒になるまで練習させます。
10 秒前後で、
速く言えるようになったと自己評価している子に、
6 秒に挑戦させます。
10 秒前後でも、
速いと思っているだけに、
この子は、
6 秒のスピードになる難しさを、
体で知っています。
内面をギュッと引き締めて、
相当に頑張らないと、
6 秒を切るまでのスピードになりません。
が、
簡単にはできないゴールだから、
子どもには面白いようです。
夢中になって、
楽しみながら、
数日かかって、
6 秒を切るようになります。
実は、
6 秒を切るスピードになると、
2×7= を見た瞬間に、
覚えている九九を使わなくても、
答え 14 が出ます。
2×7= の答えの出し方が、
九九を唱えるスピードの習慣で、
つまり、
1 つの段を 6 秒以下になると、
全く変わってしまいます。
13-8= のようなひき算の計算です。
さまざまな計算の仕方があります。
たし算と、九九の話の関連で、
ひき算の計算の仕方を
次のようにします。
13-8= の
8 に何かを足します。
その答えを、13 にします。
こうなる何かです。
8+5=13 です。
8 に、5 を足すと、13 になります。
ですから、
13-8=5 です。
これが、
子どもに指定する
答えの出し方の習慣です。
さて、
ひき算にも、
もう一つの習慣があります。
13-8= の 8 に、
何かを足して、13 にする何かを
思い付くスピードです。
この思い付くスピードが、
習慣になっています。
そして、
面白いことに、
九九のようになっています。
13-8= の 8 に、
何を足せば 13 になるのかを、
思い付くスピードが、
相当に速くなると、
13-8= の答え 5 が、
問題を見たら瞬時に出るようになります。
答えを出す習慣が、
瞬時に答えを出す感覚に入れ替わります。
2×7= の九九、
13-8= のひき算でみたように、
答えを出す習慣としてのスピードを、
相当の速さに入れ替えていくと、
答えを出す習慣自体が入れ替わって、
つまり、
質的に変わって、
5+7= のたし算のように、
瞬時に答えを出せるようになります。
(基本 -540)、(+- -308)、(×÷ -117)