「2 けた×1 けた」の高いレベルの計算力を持った子に、「3 けた×1 けた」の計算の仕方を教えます。この子の「2 けた×1 けた」の計算力を利用する教え方です。

 {\normalsize {  \begin{array}{rr}  \:120 \\ \:\:\times  \:\:\:\:\:\: 2 \\ \hline \end{array}  }}\\ のような「3 けた×1 けた」を教えます。

 

初めての

「3 けた×1 けた」の計算です。

 

この子は、

 {\normalsize {  \begin{array}{rr}78\\ \:\times  \:\:\:4\\ \hline \end{array}  }}\\ のような「 2けた×1 けた」を、

速いスピードの計算で、

楽にスラスラと答えを出すことができます。

 

九九は、

1 つの段を、6 秒以下で唱えますから、

九九の音が消えています。

 

しかも、

 {\normalsize {  \begin{array}{rr}78\\ \:\times  \:\:\:4\\ \hline \end{array}  }}\\ の最初の計算、

 {\normalsize {  \begin{array}{rr}\:\:\:\:8\\ \:\times  \:\:\:4\\ \hline \end{array}  }}\\ の 4 から 8 を、

パッと、下から上に見た瞬間、

九九の答え 32 が出る子です。

 

横に並べて書いてある 4×8= と、

同じ速さで、瞬時に、

「しはさんじゅうに(4×8=32)」の

音に頼ることなく、

答え 32 が出ます。

 

そして、

 {\normalsize {  \begin{array}{rr}78\\ \:\times  \:\:\:4\\ \hline \:\:\:2\end{array}  }}\\ と無言で、

素早い動作で書いて、

繰り上がり数 3 を、

次にたし算で使うと待ち伏せて、

覚えます。

 

ただ覚えるのではありません。

次のたし算で使うと、

目的をハッキリとさせて覚える子です。

 

次の計算は、

 {\normalsize {  \begin{array}{rr}78\\ \:\times  \:\:\:4\\ \hline \:\:\:2\end{array}  }}\\ の 4 と 7 を、

 {\normalsize {  \begin{array}{rr}7\:\:\:\\ \:\times  \:\:\:4\\ \hline \:\:\:2\end{array}  }}\\ のように、

下から左斜め上に見て、

瞬時に、

「ししちにじゅうはち(4×7=28)」の

音に頼ることなく、

答え 28 が出て、

待ち伏せていたたし算 28+3=31 を、

頭の中で、瞬時に行い、

無言で、 {\normalsize {  \begin{array}{rr}78\\ \times  \:\:\:4\\ \hline 312\end{array}  }}\\ と書きます。

 

これだけの計算力を持った子に、

 {\normalsize {  \begin{array}{rr}  \:120 \\ \:\:\times  \:\:\:\:\:\: 2 \\ \hline \end{array}  }}\\ のような初めての計算、

「3 けた×1 けた」を教えます。

 

教えると言うよりも、

この子の計算を誘い出すようなリードです。

 

 {\normalsize {  \begin{array}{rr}  \:120 \\ \:\:\times  \:\:\:\:\:\: 2 \\ \hline \end{array}  }}\\ の 1 を、

無言で、ペン先で隠します。

 

こうすると、

この子に、

 {\normalsize {  \begin{array}{rr}  \:\:\:20\\ \:\times  \:\:\:\:\:\:\:2\\ \hline \end{array}  }}\\ が見えます。

 

これは、

「2 けた×1 けた」のかけ算です。

 

この子は、

楽にスラスラと計算できますから、

計算したい気になっています。

 

でも、

少し不安なようです。

 

こちらに、

探るような視線を投げてきます。

 

もちろんこちらは、

子どもの探るような視線を感じますが、

問題  {\normalsize {  \begin{array}{rr}  \:120 \\ \:\:\times  \:\:\:\:\:\: 2 \\ \hline \end{array}  }}\\ の最初の計算部分、

2 と 0 に視線を固定して動かしません。

 

こうすれば、

子どもも、こちらの視線の先の

2 と 0 に視線を戻して、

自力で計算します。

 

この子が、

 {\normalsize {  \begin{array}{rr}  \:\:\:\:\:20\\ \:\times  \:\:\:\:\:\:2\\ \hline \:\:\:\:\:40\end{array}  }}\\ と計算した後、

ペン先で隠していた 1 を、

無言で見せます。

 

 {\normalsize {  \begin{array}{rr}  \:120\\ \:\times  \:\:\:\:\:\:2\\ \hline \:\:\:\:\:40\end{array}  }}\\

このように見えます。

 

 

1 が見えたことで、

戸惑ったようです。

 

計算が止まります。

続きを計算しません。

 

こちらは、

視線を、 {\normalsize {  \begin{array}{rr}  \:120\\ \:\times  \:\:\:\:\:\:2\\ \hline \:\:\:\:\:40\end{array}  }}\\ に固定したままで、

ボソッとした口調で、

「にいちがに(2×1=2)」とだけ言います。

 

この子は、

声に出さずに、心の中で、

「あぁ、やはりそうか・・」のような感じで、

 {\normalsize {  \begin{array}{rr}  \:120\\ \:\times  \:\:\:\:\:\:2\\ \hline240\end{array}  }}\\ と書きます。

 

これで、

 {\normalsize {  \begin{array}{rr}  \:120 \\ \:\:\times  \:\:\:\:\:\: 2 \\ \hline \end{array}  }}\\ のような初めての計算、

「3 けた×1 けた」の計算の答えを

この子は出せるようになります。

 

(基本  {\normalsize {α}} -607)、(×÷  {\normalsize {α}} -126)