ルートが分母にあれば、分母を有理化する約束です。でも、分母の有理化を、たし算やかけ算や、2乗のような計算の仲間とみることは、難しいようです。

{\Large\frac{1}{(\sqrt{3}+\sqrt{2})^{2}}}{\Large\frac{1}{5+2\sqrt{6}}}= と計算して、

この子から、

続きの計算を、

「どうやるの?」と聞かれます。

 

聞かれたこちらは、

この子の計算の続きを、

{\Large\frac{1}{5+2\sqrt{6}}}= の分母を有理化するように、

{\Large\frac{5-2\sqrt{6}}{(5+2\sqrt{6})(5-2\sqrt{6})}}= と

教えたくなります。

 

でも、

「ちょっと待てよ・・」と、

立ち止まります。

 

そして、

「分母の有理化を、

先にさせた方が、

この子の式の見方が育つだろう」と、

考えます。

 

 

問題 {\Large\frac{1}{(\sqrt{3}+\sqrt{2})^{2}}}= の式に、

この子は、「どうする?」と考えて、

「分母の 2乗を計算する」と決めています。

 

「分母を有理化する」ことを、

考えてもいないようです。

 

 

問題 {\Large\frac{1}{(\sqrt{3}+\sqrt{2})^{2}}}= の式は、

{\Large\frac{1}{\sqrt{3}+\sqrt{2}}} を、

2 回掛けています。

 

だから、

{\Large\frac{1}{\sqrt{3}+\sqrt{2}}} の分母の有理化と、

② 2乗の

2 つの異なる計算の組み合わせです。

 

このように見ると、

どちらを先にするのかを選んでから、

つまり、

計算順を決めてから計算することになります。

 

 

計算順の決め方に、

これというルールはないようですが、

普通の計算順でしたら、

分母の有理化が先で、

2乗が後でしょう。

 

もちろん、

この子の計算のように、

2乗を先にして、

分母の有理化を後にしてもいいのです。

 

どちらにしても、

先に、計算順を決めてから、

その後で、計算するのが、

この子にしてほしい計算の作法です。

 

 

さて、

「どうやるの?」と聞かれたこちらは、

「2乗計算と、

分母の有理化と、

どちらが先?」と、

聞き返します。

 

これで、

「あっ!」となって、

「分母の有理化が先」と答えたら、

この子に任せます。

 

そうではなくて、

「分母の有理化なの?」と聞き返されたら、

「そう」と答えてから、

「どうする?」と、

さらに聞きます。

 

 

この子の様子がハッキリとしないので、

分母の有理化だけを、

こちらがリードします。

 

上の方の余白で計算させます。

 

ここでは、

リードの詳細を省いて、

式の流れだけを書きます。

 

{\Large\frac{1}{\sqrt{3}+\sqrt{2}}}

{\Large\frac{\sqrt{3}-\sqrt{2}}{(\sqrt{3}+\sqrt{2})(\sqrt{3}-\sqrt{2})}}

{\Large\frac{\sqrt{3}-\sqrt{2}}{3-2}}

\sqrt{3}-\sqrt{2} です。

 

ここまでを、

余白で計算してから、

続く計算は、

2乗計算です。

 

(\sqrt{3}-\sqrt{2})^{2}= の計算ですから、

この子は楽にできます。

 

(基本  {\normalsize {α}} -618)、(分数  {\normalsize {α}} -261)