分数の倍分(約分の逆)を、間違えた計算の仕方で計算することがあります。もっともらしい間違え方です。正しい計算の仕方を、実況中継で見せれば、効果的です。

 {\Large\frac{3}{4}} {\Large\frac{\:\:\:}{8}} を、

 {\Large\frac{3}{4}} {\Large\frac{2}{8}} と計算しています。

 

間違えています。

「×」が付いています。

 

正しくは、

 {\Large\frac{3}{4}} {\Large\frac{6}{8}} です。

 

さて、

この子は、

 {\Large\frac{3}{4}} {\Large\frac{\:\:\:}{8}} の左下の 4 から、

斜め右上の 2 を掛けて、

右下の 8 になるような計算の仕方です。

 

つまり、

 {\Large\frac{3}{4}}= の分母の 4 を見て、

この 4 に何かを掛けて、

 {\Large\frac{\:\:\:}{8}} の分母の 8 になるようにします。

 

4×2=8 ですから、

4 に、2 を掛ければ、8 になります。

 

だから、

 {\Large\frac{3}{4}} {\Large\frac{2}{8}} です。

 

どうしてなのか理由は分かりませんが、

 {\Large\frac{3}{4}}= の分子 3 を見ていないようです。

 

そうではなくて、

 {\Large\frac{3}{4}} {\Large\frac{\:\:\:}{8}} の左下の 4 から、

右下の 8 を見て、

この子がした計算と同じように、

4 に何かを掛けて、

8 にするような見方もできます。

 

4×2=8 ですから、

4 に、2 を掛ければ、8 になります。

 

この 2 を使って、

 {\Large\frac{3}{4}}= の分子 3 に、

3×2=6 と書けて、

この 6 を、

 {\Large\frac{\:\:\:}{8}} の分子にすれば、

 {\Large\frac{3}{4}} {\Large\frac{6}{8}} となります。

 

 

さて、実は、

 {\Large\frac{1}{3}} {\Large\frac{2}{6}} と、 {\Large\frac{2}{5}} {\Large\frac{6}{15}} を、

説明抜きで、

見本として見て、

同じように、

 {\Large\frac{3}{4}} {\Large\frac{\:\:\:}{8}} を計算させています。

 

どうやらこの子は、

2つの見本の左側の  {\Large\frac{1}{3}} {\Large\frac{2}{6}} だけを見て、

左下の 3 と、

右上の 2 と、

右下の 6 から、

3×2=6 の計算を思い付いたようです。

 

そして同じような計算の仕方で、

 {\Large\frac{3}{4}} {\Large\frac{\:\:\:}{8}} の左下の 4 と、

右下の 8 を見て、

4×2=8 を思い付いて、

 {\Large\frac{3}{4}} {\Large\frac{2}{8}} と計算したようです。

 

2つの見本、

 {\Large\frac{1}{3}} {\Large\frac{2}{6}} と、 {\Large\frac{2}{5}} {\Large\frac{6}{15}}

右の  {\Large\frac{2}{5}} {\Large\frac{6}{15}} を示して、

「これと同じように計算すると、

どう変わる?」のようなヒントを出して、

教えることもできます。

 

仮に、

こうするのでしたら、

子どもが、

 {\Large\frac{3}{4}} {\Large\frac{\:\:\:}{8}} を計算する前に、

 {\Large\frac{2}{5}} {\Large\frac{6}{15}} を示して、

「これと同じように・・」と、

指定してあげるべきでしょう。

 

計算させた後、

 {\Large\frac{3}{4}} {\Large\frac{2}{8}} に、「×」が付いているのを見た子は、

気持ちが後ろ向きになっています。

 

この子にしたら、

「合っているのに・・」だからです。

 

 

だから、

子どもの答え  {\Large\frac{3}{4}} {\Large\frac{2}{8}} を残したまま、

こちらの計算の実況中継を見せて教えます。

 

変わり身の早さを、

子どもは得意とします。

 

 

以下は、

実況中継の実例です。

 

 {\Large\frac{3}{4}} {\Large\frac{2}{8}} の 4 と 8 を順に示して、

「4×2=8」、

3 を示して、

「3×2=6」、

子どもが書いた答え 2 を示して、

「ここ、ろく(6)」です。

 

見て聞いていた子は、

「斜めではなくて、

横同士か・・」のような感じで、

 {\Large\frac{3}{4}} {\Large\frac{6}{8}} と書き直します。

 

これで、教え終わります。

 

実況中継を見せ終わったら、

それで終わりにすると、

子どもの内面に、

強い印象を残せます。

 

(基本  {\normalsize {α}} -630)、(分数  {\normalsize {α}} -263)