子どもを主役にしたまま、脇役のこちらが、答えの出し方を教えます。子どもを主役にする位置や、こちらが脇役になる口調があります。

{\normalsize{\begin{array}{rr} 25 \\\:\times\:\:\: 3 \\ \hline \end{array}}}\\ のような

繰り上がりのある筆算のかけ算を教えます。

 

教える内容は、

答えの出し方に絞ります。

 

10進位取り記法や、

分配法則のような

そのように計算する理由は、

別の機会に教えることとして、

ここでは対象外とします。

 

 

ほとんど意識されることはないようですが、

子どもを主役にする教え方です。

 

子どもを主役にして、

こちらが脇役です。

 

こちらが主役にならないように注意します。

 

こちらが主役になると、

子どもが脇役になってしまい、

子どもの学びが悪くなります。

 

 

問題 {\normalsize{\begin{array}{rr} 25 \\\:\times\:\:\: 3 \\ \hline \end{array}}}\\ を、

子どもの真正面に起きます。

 

子どもが主役だからです。

 

こちらは、

真横から、同じ問題を見ます。

 

こちらが脇役だからです。

 

 

「さんごじゅうご(3×5=15)」のような九九や、

「指、いち(1)」のような指示を、

こちらは話します。

 

その口調は、

小声でささやくように、

ボソボソとしていて、

スポーツのコーチのような歯切れ良さにします。

 

このような口調で、

こちらは脇役になれます。

 

すると、

脇役の話を聞いている子どもが、

主役です。

 

 

このような位置で、

このような口調で、

子どもを主役にしてしまって、

以下のような実行中継を見せて教えます。

 

{\normalsize{\begin{array}{rr} 25 \\\:\times\:\:\: 3 \\ \hline \end{array}}}\\ の 3 と 5 を示しながら、

「さんごじゅうご(3×5=15)」、

3 の真下を示して、

「ここ、ご(5)」、

「指、いち(1)」です。

 

脇役の説明を、

見て、聞いていた主役の子どもは、

{\normalsize{\begin{array}{rr} 25 \\\:\times\:\:\: 3 \\ \hline \:\:\:5\end{array}}}\\ と書いて、

指を 1本伸ばします。

 

脇役のこちらが出した答えを書くのは、

主役の子どもです。

 

 

続いて、

{\normalsize{\begin{array}{rr} 25 \\\:\times\:\:\: 3 \\ \hline \:\:\:5\end{array}}}\\ の 3 と 2 を示しながら、

「さんにがろく(3×2=6)」、

子どもが指に取った 1 を触って、

「1 増えて、7」、

2 の真下を示して、

「ここ」です。

 

見て、聞いていた主役の子どもは、

{\normalsize{\begin{array}{rr}25\\\:\times\:\:\:\: 3 \\ \hline \:\:\:75\end{array}}}\\ と書きます。

 

 

このようにして、

子どもを主役にしたまま、

そして、こちらは脇役まま、

子どもが、

「分かった」、

「もう自分でできる」となるまで、

3~4問や、

5~6問の実況中継を見せます。

 

なお、

言わずもがなのことですが、

子どもを主役にするのですから、

子どもが、

既に分かっていることだけを使って、

{\normalsize{\begin{array}{rr} 25 \\\:\times\:\:\: 3 \\ \hline \end{array}}}\\ の答えを出しています。

 

(基本  {\normalsize {α}} -672)、(×÷  {\normalsize {α}} -140)