移項していないのに、移項したような勘違いのミスは、自力で直しにくいミスです。正しい答えを、サラリと指摘します。

方程式   {\Large\frac{2x-3}{4}}+{\Large\frac{x+5}{6}}={\Large\frac{3}{4}}  を、

3(2x-3)+2(x+5)=9

6x-9+2x+10=9

6x-2x=9-10+9

4x=8

x=2

このように解いて、

×(バツ)が付きます。

 

この子は、

誤答を消さないで、

もう一度、解き直す作法です。

 

解き直しは、

元の方程式   {\Large\frac{2x-3}{4}}+{\Large\frac{x+5}{6}}={\Large\frac{3}{4}}  を見て、

12 を掛けて、分母を取ったことからです。

 

 

計算した式が、

3(2x-3)+2(x+5)=9  を、

確かめます。

 

次に、

かっこを外して、

6x-9+2x+10=9  としています。

 

ここも、

自分の解答を残したまま、

計算し直します。

 

そして、

x を左に、数字を右に集めて、

6x-2x=9-10+9  としています。

 

実は、

ここにミスがあります。

 

でも、

移項の勘違いのミスですから、

探すことができません。

 

6x-9+2x+10=9  から、

6x-2x=9-10+9  の式変形は、

正しくできていると思ってしまいます。

 

勘違いのミスとは、

こういうものです。

 

 

6x-9+2x+10=9  の 2x は、

始めから = の左にあります。

 

移項していないのです。

 

= の左の数 -9 と、10 を、

= の右に動かして(移項)いますから、

2x は、

= の反対側ではなくて、

同じ側で、

少し左に動かしただけです。

 

移項したように感じたようです。

勘違いです。

 

 

この子は、

勘違いのミスを見つけられないまま、

解き直しを続けて、

6x-2x=9-10+9  の

左側の 2つの x の項と、

右側の 3つの数を、

それぞれ別々に計算し直して、

自分の解答  4x=8  が正しいことを、

確認しています。

 

それから、

4x=8  の両辺を、

4 で割って、

x=2  を正しく計算していることを、

確かめています。

 

これだけの解き直しを、

自力でできる子です。

 

ですが、

勘違いのミスですから、

自力で直すことができません。

 

 

こちらは、

この子と同じように、

元の方程式   {\Large\frac{2x-3}{4}}+{\Large\frac{x+5}{6}}={\Large\frac{3}{4}}  を見て、

12 を掛けて、

分母を取ったことから、

自力で解き直すことを、

実況中継型リードで見せます。

 

そして、

正しくできているところは、

「合っている」と認めます。

 

 

このようにして、

6x-9+2x+10=9  を、

「合っている」と認めた後、

6x-2x=9-10+9  の

6x を示して、「合っている」、

-2x の - を示して、

「プラス(+)」です。

 

ただポツリと、

「プラス(+)」と言うだけです。

 

「移項していない」のような説明を

この子にしない方が、

この子は、

自分の勘違いを正すことができます。

 

この子は、

自分の解答を消さないで、

解き直すことができるほどの

望ましい解き方の作法を持っている子です。

 

言い過ぎないように注意します。

 

だからこの子は、

「あっ、そうか!」となります。

 

(基本  {\normalsize {α}} -1060)、(分数  {\normalsize {α}} -442)