計算の仕方の勘違いを、間違えている答えを、消さずに残したまま計算し直す教え方で、計算の仕方を正します。

 {\normalsize {  \begin{array}{rr}  \:203 \\ \times  \:\:\:\:\:\:\:\: 4 \\ \hline \end{array}  }}\\ の筆算のかけ算を、

 {\normalsize {  \begin{array}{rr}  \:\:203 \\ \:\times  \:\:\:\:\:\:\:\: 4 \\ \hline902\end{array}  }}\\ と、計算します。

 

間違えています。

 

 {\normalsize {  \begin{array}{rr}  \:\:203 \\ \:\times  \:\:\:\:\:\:\:\: 4 \\ \hline812\end{array}  }}\\ が、正しい計算です。

 

ですが、

 {\normalsize {  \begin{array}{rr}  \:\:203 \\ \:\times  \:\:\:\:\:\:\:\: 4 \\ \hline902\end{array}  }}\\ の計算から、

九九や、

繰り上がり数を足す力を、

正しく持っている子と、分かります。

 

4×3=12、

4×0=0、

4×2=8、

8+1=9 と、

下から上の組の九九を正しく計算して、

1 を足すたし算を正しく計算しています。

 

しかも、

やや難しい 4×0=0 を、

正しく計算しています。

 

子どもは九九を、

「しいちがし(4×1=4)」から覚えています。

 

「しゼロがゼロ(4×0=0)」は、

九九を覚えるとき、

出てきません。

 

だからでしょう。

4×0=4 と計算する子もいます。

 

0 を掛ける九九を、

4×0=4 とする子は、

 {\normalsize {  \begin{array}{rr}  \:\:203 \\ \:\times  \:\:\:\:\:\:\:\: 4 \\ \hline852\end{array}  }}\\ と計算します。

 

この子は、

4×0=0 と正しくできていますが、

0+1=1 と、

繰り上がり数 1 を足さない勘違いです。

 

繰り上がり数 1 を足す位置が、

一けた左にずれています。

 

一の位の九九で出た繰り上がり数 1 を、

十の位ではなくて、

百の位に足しています。

 

だから、

 {\normalsize {  \begin{array}{rr}  \:\:203 \\ \:\times  \:\:\:\:\:\:\:\: 4 \\ \hline812\end{array}  }}\\ と計算しないで、

 {\normalsize {  \begin{array}{rr}  \:\:203 \\ \:\times  \:\:\:\:\:\:\:\: 4 \\ \hline902\end{array}  }}\\ と計算しています。

 

ウッカリミスではなくて、

計算の仕方の勘違いです。

 

教えて、

間違いを正します。

 

この子が持っている九九と

繰り上がりを足す力を認める教え方です。

 

こちらの計算を実況中継で見せて、

子どもに気付かせますから、

間違えている答え 902 を、

消さないで残して、

計算し直します。

 

 {\normalsize {  \begin{array}{rr}  \:\:203 \\ \:\times  \:\:\:\:\:\:\:\: 4 \\ \hline902\end{array}  }}\\ の 4 と 3 を示しながら、

「4×3=12」、

この子の答えの 2 を示して、

「2、合っている」、

「指、1」です。

 

繰り上がり数 1 を、

この子に見えるように、

指に取らせます。

 

続いて、

 {\normalsize {  \begin{array}{rr}  \:\:203 \\ \:\times  \:\:\:\:\:\:\:\: 4 \\ \hline902\end{array}  }}\\ の 4 と 0 を示しながら、

「4×0=0」、

この子が指に取った 1 を触って、

「1、足して、1」、

この子の答え 902 の 0 を示して、

「ここ、1」です。

 

見て、聞いていた子は、

「あっ、ここに足すのか!」のような感じで、

0 を消してから、

1 を書いて、 {\normalsize {  \begin{array}{rr}  \:\:203 \\ \:\times  \:\:\:\:\:\:\:\: 4 \\ \hline912\end{array}  }}\\ と正します。

 

それから、

 {\normalsize {  \begin{array}{rr}  \:\:203 \\ \:\times  \:\:\:\:\:\:\:\: 4 \\ \hline912\end{array}  }}\\ の 4 と 2 を示しながら、

「4×2=8」、

「指、ない」で、

繰り上がり数がないことを伝えて、

この子の答え 912 の 9 を示して、

「ここ、8」です。

 

見て、聞いていた子は、

こうなることを予期していたように、

9 を消してから、

8 を書いて、 {\normalsize {  \begin{array}{rr}  \:\:203 \\ \:\times  \:\:\:\:\:\:\:\: 4 \\ \hline812\end{array}  }}\\ と正します。

 

正しい答えに書き終えたら、

教え終わります。

 

「分かった?」とか聞きたくなりますが、

子どもの主体性も育てていますから、

正しい答えになったら教え終えます。

 

(基本  {\normalsize {α}} -343)、(×÷  {\normalsize {α}} -084)