約分の問題を見たら、瞬時に約数が出るのは、頭がフル稼働の高速で、自動的に無意識に探しているからです。約分の感覚です。このように便利な感覚の対象は、せいぜい 2けたの分母や分子までです。3けたの分母や分子になると、感覚的に約数が出たりしません。

 {\Large\frac{143}{299}}=  の分母も分子も 3けたのような

大きな数の分数の約分を、

普通、

練習問題にしません。

 

大きな数の分数の約分であっても、

せいぜい   {\Large\frac{26}{65}}=  のように、

分母も分子も 2けたのような程度です。

 

この程度の分数でしたら、

約分の練習問題として、出てきます。

 

 

なお参考までに、

分母も分子も 3けたの   {\Large\frac{143}{299}}=  も、

2けたの   {\Large\frac{26}{65}}=  も、

約数は同じで、

13 で約分できます。

 

話のついでですから、計算しますと、

143÷13=11  、

299÷13=23  ですから、

 {\Large\frac{143}{299}} {\Large\frac{11}{23}}  です。

 

また、

26÷13=2  、

65÷13=5  ですから、

 {\Large\frac{26}{65}} {\Large\frac{2}{5}}  です。

 

 

約分の問題を、繰り返し練習すると、

人間の脳は、

約分の計算の流れを、

頭の中で勝手に行うようになります。

 

問題   {\Large\frac{26}{65}}=  を見たら、

頭が勝手に動いて、

約数 13 を瞬時に出して、

その答え  {\Large\frac{2}{5}} を出します。

 

約数 13 を出すために、

頭の中でアレコレと探索していますが、

約分の計算の流れに十分に慣れた頭は、

勝手にフル稼働で動き、

瞬時に、13 を見つけ出します。

 

だから、

問題   {\Large\frac{26}{65}}=  を見ただけなのに・・・と、

約数 13 が瞬時に出ることが、

子どもには不思議です。

 

こうなった現象を、

「約分の感覚を持った」のように表現します。

 

 

ですが、

分母も分子も 2けたの   {\Large\frac{26}{65}}=  程度のことです。

 

分母も分子も 3けたの   {\Large\frac{143}{299}}=  になると、

頭が勝手に動くようなことが起こりません。

 

143=13×11  で、

299=13×23  ですから、

約数 13 を見つけ出すのは、難問です。

 

11 も、

13 も、

23 も素数です。

 

143 や、

299 が、

何で割れるのかを探すことが難しいのです。

 

 

例えば、

143 も、299 も、

7 で割れませんから、

もっと大きな素数の 11 以上なのだろうと、

当たりを付けることがあります。

 

あるいは、

299-143=156  を計算して、

156=13×12  から、

約数 13 と、

当たりを付けることもあります。

 

(基本  {\normalsize {α}} -855)、(分数  {\normalsize {α}} -366)