中学校の数学の計算は、
小学校の算数の計算に比べて、
短期間に多くのことを修得します。
だから、
小学校の算数を学ぶときの態度を、
中学校の数学を学ぶときに適した態度に、
入れ替えるようにします。
中学校の数学を学ぶときの態度を、
計算例を出して、
少し説明します。
=-8
と計算して、
「×」です。
「合っているのに・・」と、
子どもは納得できません。
3乗です。
(-2 ) を、3 回掛けます。
式を書くと、
(-2 )×(-2
)×(-2
) です。
でも、この子は、
頭の中で、「3 回掛ける」とだけ考えて、
3 回掛けた式、
(-2 )×(-2
)×(-2
) をイメージしていません。
ただ、「3 回掛ける」と考えています。
そして、計算します。
「-」を 3 回掛けると、
答えは、「-」です。
2 を、3 回掛けて、
2×2×2 ですから、
答えは、8 です。
を、3 回掛けて、
答えは、 です。
このような計算です。
一つ一つの計算は、正しくできています。
つまり、
計算の仕方が間違えていますが、
この子なりに筋が通っています。
だから、
「合っているのに・・」となります。
ここで、
学ぶときの態度を変えます。
「×」になったのは、
採点のミスではなくて、
間違った答えだからです。
と、このように
計算の仕方の間違いを認めて、
そして、
正しい計算の仕方に、
すぐに入れ替える態度に変えます。
この子が、
正しい計算の仕方を知るには、
聞けばいいのです。
聞くと、
=
=-
=-12
の
計算の仕方を教えてもらえます。
このような正しい計算の仕方を知ったら、
「どうして、仮分数にするのだろうか?」と、
自分で考えます。
すると、
を、
(-2 )×(-2
)×(-2
) のように
書くことを思い付いて、
分数のかけ算は、
帯分数を仮分数に変えたことを思い出します。
そして、
「なるほど」と納得できます。
別の計算の例です。
3a-a=2
a と計算して、
「×」です。
やはり、
「合っているのに・・」となります。
ここでも、
採点ミスではなくて、
計算の仕方が違っているのだろうと受け入れます。
そして、
聞きます。
すると、
答えの書き方を、
a にすることを知ります。
3-=2
の
分数のひき算は正しくできているのですが、
答えの書き方が違うことを知ります。
帯分数ではなくて、
仮分数を使います。
そういう約束と、
受け入れてしまうと、
先に進みやすくなります。
でも気になるのでしたら、
「どうして、仮分数にするのだろうか?」と、
自分で考えます。
すると、
帯分数 2 は、
2+ の + を省略していることを思い出します。
文字式 2a の前に付いている数 2
は、
2×a の × を省略しています。
ですから、
1 つの式で、
+ と、× が省略されています。
2+×a=2
a です。
問題と答えを組にして、
3a-a=2
a を見れば、
+ と、× を省略した書き方と理解できます。
でも、
2a だけを見れば、
2+a と理解することもできます。
数 2 と、
文字式 a のたし算です。
a と書けば、
このような迷いがなくなります。
このように、
アレコレと考えて、
楽しめる子でしたら、
楽しめます。
似たような、
別の計算の例です。
5a-4a=1a と計算して、
「×」です。
やはり、
「合っているのに・・」となります。
ここでも、
採点ミスではなくて、
計算の仕方が違っているのだろうと受け入れます。
そして、
聞きます。
すると、
答えの書き方を、
1 を書かずに、
a とすれば、「〇」と分かります。
こちらの教え方は、
とても不親切にします。
5a-4a=1a を、
「どこが違うのですか?」と聞く子に、
1 を示して、
「消して」だけです。
こどもは、
「えっ、何?」となりますが、
1 を示して、
「消して」だけです。
だから、
子どもは受け入れて、
5a-4a=1a の 1 を消して、
5a-4a=a とします。
「どうしてですか?」と食い下がる子に、
「1×3=」と書いて、
1×3=3 と、
「1×15=」と書いて、
1×15=15 と書かせてから、
「1×a=」と書けば、
1×a=a とします。
こうした子に、
「1 を書かない約束です」と、
ボソッと教えます。
このような刺激を受けた子は、
アレコレと考え始めるはずです。
(基本 -273)、(分数
-085)