「合っているのに・・」としないで、正しい計算の仕方を聞いて受け入れれば、先に進むことができます。

中学校の数学の計算は、

小学校の算数の計算に比べて、

短期間に多くのことを修得します。

 

だから、

小学校の算数を学ぶときの態度を、

中学校の数学を学ぶときに適した態度に、

入れ替えるようにします。

 

中学校の数学を学ぶときの態度を、

計算例を出して、

少し説明します。

 

 (-2{\Large\frac{1}{3}})^{3}=-8 {\Large\frac{1}{27}} と計算して、

「×」です。

 

「合っているのに・・」と、

子どもは納得できません。

 

3乗です。

(-2 {\Large\frac{1}{3}} ) を、3 回掛けます。

 

式を書くと、

(-2 {\Large\frac{1}{3}} )×(-2 {\Large\frac{1}{3}} )×(-2 {\Large\frac{1}{3}} ) です。

 

でも、この子は、

頭の中で、「3 回掛ける」とだけ考えて、

3 回掛けた式、

(-2 {\Large\frac{1}{3}} )×(-2 {\Large\frac{1}{3}} )×(-2 {\Large\frac{1}{3}} ) をイメージしていません。

 

ただ、「3 回掛ける」と考えています。

 

そして、計算します。

 

「-」を 3 回掛けると、

答えは、「-」です。

 

2 を、3 回掛けて、

2×2×2 ですから、

答えは、8 です。

 

 {\Large\frac{1}{3}} を、3 回掛けて、

答えは、 {\Large\frac{1}{27}} です。

 

このような計算です。

一つ一つの計算は、正しくできています。

 

つまり、

計算の仕方が間違えていますが、

この子なりに筋が通っています。

 

だから、

「合っているのに・・」となります。

 

ここで、

学ぶときの態度を変えます。

 

「×」になったのは、

採点のミスではなくて、

間違った答えだからです。

 

と、このように

計算の仕方の間違いを認めて、

そして、

正しい計算の仕方に、

すぐに入れ替える態度に変えます。

 

この子が、

正しい計算の仕方を知るには、

聞けばいいのです。

 

聞くと、

 (-2{\Large\frac{1}{3}})^{3} (-{\Large\frac{7}{3}})^{3}=- {\Large\frac{343}{27}}=-12 {\Large\frac{19}{27}}

計算の仕方を教えてもらえます。

 

このような正しい計算の仕方を知ったら、

「どうして、仮分数にするのだろうか?」と、

自分で考えます。

 

すると、

 (-2{\Large\frac{1}{3}})^{3} を、

(-2 {\Large\frac{1}{3}} )×(-2 {\Large\frac{1}{3}} )×(-2 {\Large\frac{1}{3}} ) のように

書くことを思い付いて、

分数のかけ算は、

帯分数を仮分数に変えたことを思い出します。

 

そして、

「なるほど」と納得できます。

 

別の計算の例です。

 

3a- {\Large\frac{1}{2}}a=2 {\Large\frac{1}{2}}a と計算して、

「×」です。

 

やはり、

「合っているのに・・」となります。

 

ここでも、

採点ミスではなくて、

計算の仕方が違っているのだろうと受け入れます。

 

そして、

聞きます。

 

すると、

答えの書き方を、

 {\Large\frac{3}{2}}a にすることを知ります。

 

3- {\Large\frac{1}{2}}=2 {\Large\frac{1}{2}}

分数のひき算は正しくできているのですが、

答えの書き方が違うことを知ります。

 

帯分数ではなくて、

仮分数を使います。

 

そういう約束と、

受け入れてしまうと、

先に進みやすくなります。

 

でも気になるのでしたら、

「どうして、仮分数にするのだろうか?」と、

自分で考えます。

 

すると、

帯分数 2 {\Large\frac{1}{2}} は、

2+ {\Large\frac{1}{2}} の + を省略していることを思い出します。

 

文字式 2 {\Large\frac{1}{2}}a の前に付いている数 2 {\Large\frac{1}{2}} は、

 {\Large\frac{1}{2}}×a の × を省略しています。

 

ですから、

1 つの式で、

+ と、× が省略されています。

 

2+ {\Large\frac{1}{2}}×a=2 {\Large\frac{1}{2}}a です。

 

問題と答えを組にして、

3a- {\Large\frac{1}{2}}a=2 {\Large\frac{1}{2}}a を見れば、

+ と、× を省略した書き方と理解できます。

 

でも、

 {\Large\frac{1}{2}}a だけを見れば、

2+ {\Large\frac{1}{2}}a と理解することもできます。

 

数 2 と、

文字式  {\Large\frac{1}{2}}a のたし算です。

 

 {\Large\frac{3}{2}}a と書けば、

このような迷いがなくなります。

 

このように、

アレコレと考えて、

楽しめる子でしたら、

楽しめます。

 

似たような、

別の計算の例です。

 

5a-4a=1a と計算して、

「×」です。

 

やはり、

「合っているのに・・」となります。

 

ここでも、

採点ミスではなくて、

計算の仕方が違っているのだろうと受け入れます。

 

そして、

聞きます。

 

すると、

答えの書き方を、

1 を書かずに、

a とすれば、「〇」と分かります。

 

こちらの教え方は、

とても不親切にします。

 

5a-4a=1a を、

「どこが違うのですか?」と聞く子に、

1 を示して、

「消して」だけです。

 

こどもは、

「えっ、何?」となりますが、

1 を示して、

「消して」だけです。

 

だから、

子どもは受け入れて、

5a-4a=1a の 1 を消して、

5a-4a=a とします。

 

「どうしてですか?」と食い下がる子に、

「1×3=」と書いて、

1×3=3 と、

「1×15=」と書いて、

1×15=15 と書かせてから、

「1×a=」と書けば、

1×a=a とします。

 

こうした子に、

「1 を書かない約束です」と、

ボソッと教えます。

 

このような刺激を受けた子は、

アレコレと考え始めるはずです。

 

(基本  {\normalsize {α}} -273)、(分数  {\normalsize {α}} -085)