分数のひき算の計算パターンは、「引くことができるのか」、あるいは「できないのか」を判別することが含まれます。数字の答えを出すような計算ではありませんが、このような判別が含まれます。

 {\Large\frac{2}{3}}-2 {\Large\frac{4}{9}}=  のひき算は、

まず通分して、

 {\Large\frac{6}{9}}-2 {\Large\frac{4}{9}}=  にします。

 

この子は正しくできています。

 

ですから、この子は、

ひき算  5 {\Large\frac{2}{3}}-2 {\Large\frac{4}{9}}=  を計算する前に、

式全体を見て、

分母が、3 と 9 と違うから、

9 に通分することに決めてから、

 {\Large\frac{6}{9}}-2 {\Large\frac{4}{9}}=  と、通分しています。

 

 

計算する前に、

式全体を見て、

計算の仕方を、

「分母をそろえる」と、

心で先に決めています。

 

そして、

異なる 2つの分母 3 と 9 を見て、

共通分母を、

最小公倍数の感覚で、9 と出しています。

 

これだけのことを、

一瞬のような短時間で、

心で決めています。

 

 

さて、

計算する前に、

式全体を見て、

計算の仕方を心で決めるようなことを、

言葉で説明して、

子どもに理解させることは難しいでしょう。

 

2つの分母の異なる分数のひき算を、

繰り返し計算練習をする中で、

共通分母を探して、

通分する体験を重ねることから、

体験の回数がある一定量閾値を超えたとき、

閾値型の変化を自然に起こします。

 

このような閾値型変化が起こった後は、

アレコレと考えるまでもなく、

分数のひき算  5 {\Large\frac{2}{3}}-2 {\Large\frac{4}{9}}=  の問題を見たら、

習慣的な行動のように、

2つの分母 3 と 9 を見て、

違うことから、

これも習慣的な行動のように、

大きい方の 9 を、

小さい方の 3 で割って、

9÷3=3  と割り切れることから、

共通分母 9 を探すまでもなく、

まるで何かの感覚のように、

9 が心に浮かぶようになります。

 

このような閾値型の変化が、

自然に起きるまでの問題数は、

個人差がありますが、

どの子にも、

その子が必要とする問題数を練習すれば、

必ず起こります。

 

 

このような閾値型の変化が起これば、

子どもは、

 {\Large\frac{2}{3}}-2 {\Large\frac{4}{9}}=  のひき算を計算する前に、

一瞬のような短い時間で、

式をパッと見て、

分母を 9 に通分すると、

心で先に決めて、

その後から、

実際に計算して、

 {\Large\frac{6}{9}}-2 {\Large\frac{4}{9}}=  と、通分します。

 

これだけのことをしている子ですが、

この続きを、

 {\Large\frac{2}{3}}-2 {\Large\frac{4}{9}}=5 {\Large\frac{6}{9}}-2 {\Large\frac{4}{9}}=  と通分した後、

そのまま引けるのに、

そのまま引かないで、

 {\Large\frac{15}{9}}-2 {\Large\frac{4}{9}}=2 {\Large\frac{11}{9}}=3 {\Large\frac{2}{9}}  と、

しなくてもいい遠回りの計算をする子です。

 

もちろんこのような遠回りの計算でも、

問題  5 {\Large\frac{2}{3}}-2 {\Large\frac{4}{9}}=  を、

 {\Large\frac{6}{9}}-2 {\Large\frac{4}{9}}=  と通分した式全体を見て、

 {\Large\frac{6}{9}} の 5 の一部分の 1 を、

 {\Large\frac{9}{9}} に変えて、

 {\Large\frac{6}{9}}=(4+ {\Large\frac{9}{9}} {\Large\frac{6}{9}}=4 {\Large\frac{15}{9}} に書き換えて、

こうしてから引くと

心で先に決めています。

 

式全体を見ることと、

計算する前に、

心で先にどうするのかを決めることは、

このまま続けて欲しいことなのですが、

決めた計算内容が、

遠回りの計算になっています。

 

 

分母がそろった  5 {\Large\frac{6}{9}}-2 {\Large\frac{4}{9}}=  のようなひき算は、

式全体を見て、

計算の仕方を選ぶとき、

まず、

分子同士を観て、

左から右を引くことができるかどうかを

決めます。

 

これは、

計算ではなくて、

引くことができるのか、

あるいは、

引くことができないのかを判定することですから、

判別です。

 

このような判別を

意識して行うのが

分数のひき算の計算パターンです。

 

 

判別した後、

引くことができるのでしたら、

そのまま引きます。

 

引くことができないのでしたら、

引くことができるように、

式を書き換えます。

 

このような判別を、

計算パターンに入れていないから、

この子は、

遠回りの計算をしています。

 

(基本  {\normalsize {α}} -1246)、(分数  {\normalsize {α}} -497)