疑問文:「どうやるの?」を意識すると、やり方を探し始めます。つまり、考えます。

仮分数を整数に変えます。

 

子どもが使うことのできる計算は、

たし算、ひき算、かけ算、わり算です。

楽にスラスラできます。

 

 {\Large\frac{12}{4}}=3 とする計算は、

12÷4=3 です。

 

子どもは、このわり算を

楽に計算できます。

 

わり算をスラスラ計算できますから、

見本  {\Large\frac{12}{3}}=4 から計算、

 つまりわり算( 12÷3 )を

自力で探し出させます。

 

それから、

 {\Large\frac{12}{4}} を計算させます。

 

見本  {\Large\frac{12}{3}}=4 の  {\Large\frac{12}{3}} に似ていますから、

計算できます。

 

でも、

見本  {\Large\frac{12}{3}}=4 の計算が、

12÷3 のわり算と言葉で説明するのが

普通の教え方です。

 

先に計算の仕方を理解させてから、

 {\Large\frac{12}{4}} を計算させます。

 

そして、

見本  {\Large\frac{12}{3}}=4 の計算の仕方の説明が

理解されていることを確かめます。

こうするのが普通です。

 

言葉の説明を理解することと、

似ている問題  {\Large\frac{12}{4}} を計算することに

頭を使います。

 

普通の教え方ではありませんが、

もう少し頭を使わせるように

教えることができます。

 

 {\Large\frac{12}{3}}=4 を見本にします。

 

そして、

自力で計算を探し出させて、

 {\Large\frac{12}{4}} を計算させる教え方です。

 

見本  {\Large\frac{12}{3}}=4 の計算の仕方を

探し出すことと、

その計算で、

 {\Large\frac{12}{4}} を計算することに頭を使います。

 

ですが子どもは、

言葉で先に説明されて、

計算する前に計算の仕方を理解して、

それから計算する学び方に慣れています。

 

たし算、ひき算、かけ算、わり算を

楽にできる子は、

自力で計算の仕方を探し出せます。

慣れている学び方と

大きく違う学び方に、

突き放すような言い方で誘います。

 

見本  {\Large\frac{12}{3}}=4 を示して、

「これ見て」と言います。

 

続いて、

問題  {\Large\frac{12}{4}} を示して、

「計算して」と言います。

これだけです。

 

子どもは今までと大きく違う

頭の使い方をして

正しく計算します。

 

子どもが、

 {\Large\frac{12}{4}}=3 と計算できた後、

さらに頭を使わせます。

考えさせます。

 

「どうやったの?」と聞きます。

 

答えようとして、

子どもは考えます。

 

「どうやったのだろうか?」と

考えます。

 

そして、

「うんとね……」と、

自分のした計算を子どもが教えてくれます。

 

「わり算」、

「これとこれ」のような説明です。

 

上(分子)を下(分母)で割ったようなことを

話してくれます。

 

ただし、

見本  {\Large\frac{12}{3}}=4 から、

3×4=12 を探し出す子もいます。

 

わり算 12÷3=4 よりも、

九九の方に親近感を感じるようです。

 

子どもが正しく計算できた  {\Large\frac{12}{4}}=3 を、

「3×4」と教えてくれようが、

あるいは、

「12÷4」と教えてくれようが、

受け入れます。

 

先に言葉で説明されていないのに、

見本  {\Large\frac{12}{3}}=4 の計算の仕方を

自力で探し出して、

正しさに不安を感じながら、

 {\Large\frac{12}{4}}=3 と計算することで、

普通の教えられ方と

大きく違う頭の使い方をしています。

 

さらに、

「どうやったのだろうか?」と考えて、

自分のした計算を言葉にして、

こちらに教えるような頭の使い方もしています。

 

「3×4」と計算しようが、

あるいは、

「12÷4」と計算しようが、

自ら考えて頭を使うことに比べると、

あまり重要ではありません。

 

もちろん、

問題  {\Large\frac{12}{4}} を計算するのですから、

「12÷4」で答えを出してほしいのです。

 

ですがここでは、

疑問文「どうやったのだろうか?」を意識して、

そして考えてほしいので、

「3×4」も受け入れます。

 

「じゅうに、割る、しは(12÷4)?」と、

軽く言い添えて、

教える程度にします。

 

重要なことは、

「どうやったの?」と聞くことで、

自分のした計算を

改めて考えさせることです。

 

見本  {\Large\frac{12}{3}}=4 を見て、

自力で計算の仕方を探し出すとき、

子どもは無意識に、

「どうやっている?」と考えています。

 

そして、

計算:わり算やかけ算を探し出して、

問題  {\Large\frac{12}{4}} を計算します。

 

子どもが、

 {\Large\frac{12}{4}}=3 と計算した後、

「どうやったの?」と聞くことで、

子どもが無意識に

「どうやっている?」と考えたことを、

意識させます。

 

見本  {\Large\frac{12}{3}}=4 を見て、

計算の仕方を探し出して、

問題  {\Large\frac{12}{4}} を計算すると考えますが、

「どうやるの?」を

意識して使うようになりません。

 

見本を見て計算させた後に、

「どうやったの?」と聞くことで、

子どもは、

「どうやったのだろうか?」と考えます。

 

このようにしていくと子どもは、

「どうやるの?」を意識するようになります。

 

参照:

蔵一二三、「計算の教えない教え方 分数とその先」(2019)。

アマゾン。

計算の教えない教え方 分数とその先―たかが計算 されど算数の根っこ そして人育て