筆算のかけ算の答えを出すことに意識を向けていると、繰り上がりのたし算を、指で数えていても、この子は無意識にしていることです。だから、無意識のままの計算のスピードを速める手伝いをすることが得策です。

{\normalsize{\begin{array}{rr} 37 \\\:\times\:\:\: 6 \\ \hline \end{array}}}\\  の繰り上がりのたし算を、

指で数える計算をします。

 

6×7=42  の繰り上がり数 4 を、

6×3=18  の 18 に足すたし算です。

 

18+4=  の一部分

8+4=12  の指は取れている子です。

 

また、

18+4=  のたし算は、

8+4=12  の 1 を 2 にして、

22 とする計算を、

スラスラとできた子です。

 

ですから、

18+4=  を頭の中で計算しても、

8+4=12  の 1 を 2 にして、

22 とできるはずです。

 

それなのに、

18+4=  を、指で数えて、

19、20、21、22 としています。

 

 

つまり、

この子の  {\normalsize{\begin{array}{rr} 37 \\\:\times\:\:\: 6 \\ \hline \end{array}}}\\  の計算の仕方を見ていると、

{\normalsize{\begin{array}{rr} 37 \\\:\times\:\:\: 6 \\ \hline \:\:\:2\end{array}}}\\  を書いてから、

指を 4回折って数えてから、

{\normalsize{\begin{array}{rr} 37 \\ \times  \:\:\: 6 \\\hline 222 \end{array}}}\\  と書きます。

 

このような計算の仕方を見ると、

できたはずの  18+4=  に、

指を使うのですから、

「えっ、忘れたの?」と、

この子に、

つい言ってしまうのが普通です。

 

これは、

「できたでしょ!」、

「覚えているはずだから、

思い出してごらん・・・」と、

この子を手伝っているつもりなのでしょうが、

実は、

邪魔していることになります。

 

 

この子自身、

自分が指を使って、

18+4=  の答え 22 を出していると、

意識していないのです。

 

無意識に、指を折って、

19、20、21、22 と数えています。

 

この子の意識は、

{\normalsize{\begin{array}{rr} 37 \\\:\times\:\:\: 6 \\ \hline \end{array}}}\\  を計算して、

{\normalsize{\begin{array}{rr} 37 \\ \times  \:\:\: 6 \\\hline 222 \end{array}}}\\  と書き終わらせることに向いています。

 

途中の繰り上がりのたし算で、

指を折って、

19、20、21、22 と数えていることに、

意識が向いていないのです。

 

 

こうなっている子に、

「えっ、忘れたの?」と言うと、

無意識の指使いを、

意識してしまいます。

 

「忘れた」とは思ってもいないことを、

「忘れている」と、

意識させてしまいます。

 

すると、

以前のように、

頭の中で、

18+4=  を、

8+4=12  として、

この 1 を 2 にして、

22 と瞬時に出す力に、

この子は戻りにくくなります。

 

「忘れている」と、

意識させたから、

以前の力に戻りにくくさせています。

 

 

できたはずのたし算  18+4=  に、

指を使い始めたら、

指の使い方を速めるだけの手伝いをします。

 

「忘れている」などと一切思わないで、

ただ、

「指をもっと速く使う手伝いをする」とだけ、

こちらは決めて手伝います。

 

こうすれば、

無意識で使い始めた指ですから、

意識することなく取れてしまいます。

 

つまり、

{\normalsize{\begin{array}{rr} 37 \\\:\times\:\:\: 6 \\ \hline \end{array}}}\\  の答えを出すための

繰り上がりのたし算  18+4=  を、

以前のように、

18+4=  を、

8+4=12  として、

この 1 を 2 にして、

22 と瞬時に出すようになります。

 

(基本  {\normalsize {α}} -976)、(×÷  {\normalsize {α}} -179)